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アイスクリーム

以前にお客様から、味は美味しかったけれども、 アイスが溶けかかっていたと、ご指摘いただいたことがありました。 日頃、我々が口にするアイスはもっと硬いものですから、そう思われるのも、もっともな話です。 しかし混ぜものの無い、本来のアイスというのは、柔らかい滑らかな口溶けに、 美味しさがあるのものなのです。
アイスクリームは、卵黄、砂糖、生クリーム、牛乳を、 泡立てながら冷していくと出来あがります。出来立ては、 ソフトクリームよりも少し硬い程度で、その滑らかな口溶けの感覚から来る美味しさは、 たまらない魅力があります。しかし、そのアイスの滑らかさは、冷凍庫でも保存できません。 日に日に、硬い口当たりのものになってしまいます。そのため市販のアイスは、 糊剤、保存料等を入れて、長く冷凍しても滑らかさを保てるようにしているのですが、 それが、本来の滑らかさや、ピュアな味を損なってしまっていることは言うまでもありません。
金花糖は、イタリア製のアイスクリームメーカーを使って、 自家製のアイスをお出ししていますが、アイス本来の、口当たりの滑らかさを大切に考えて、 1・2日中に使いきることにしています。 もちろん、糊剤や保存料等は使っていません。また味わいも、 アイス単独でいただくよりも、餡と一緒に味わってピッタリくるように、 あっさりした味に仕上げてあります。

2000年8月某日

甘味処 金花糖/石川県金沢市長町 3-8-12/tel 076-221-2087