今月は
いい時節になりました。 特に晴れた日は、ほんとに気持ちがいいですね。 深呼吸の一つもしたくなります。 そんな今月は何といってもゴールデンウィークではあるんですが、暦は5日が立夏となります。 太陽の位置が夏に入るということで、日がどんどん長くなり、そして日は高くなります。 そしてここ金沢では、ストーブなど暖房器具を片付け始める月になります。 ということは寒さもほんとにお終い。よかったよかったです。 Go Johnny, go, go ~ で行きましょう。今月の金花糖は、メニューも春から初夏へ、夏前の合いのメニューになります。 そして寒くもなく暑くもなくの時節に、 おすすめメニューは、紅茶あんみつはいかがでしょうか。 紅茶あんみつは、濃いめアールグレーの紅茶寒天が主役のあんみつです。 まずベースに紅茶寒天がたっぷりと入って、 その上に丹波大納言の餡とアイスが載せられます。 色どりに苺、キウイに生クリームが添えられて、 固定ファンがとても多い大好評のメニューです。 特製の白蜜も付きますので、お好みの甘さで紅茶寒天の味わいを楽しんでいただけます。 今月は金花糖で、ぜひ紅茶あんみつをご賞味くださいね。
では、藤の花が詠まれた醍醐天皇の御歌です。前書きがあります。
飛香舎(ひぎょうしゃ)にて、藤花の宴がありました時の、延喜の御歌。
かくてこそ見まくほしけれ万代をかけてにほへる藤浪の花
《かくてこそ 見まくほしけれ 万代(よろづよ)を かけて匂へる 藤浪の花》
こうしてこのままに 見ていたいとまで思った 永遠に いつも紫の色あふれ出るように咲く 藤の花。
いやーこれはほんとに美しい歌ですね。
藤の美しく咲いた花はたしかに素晴らしいですよね。
まるで紫が降ってくるような、紫の色の波のような、まさに見事です。
前書きにある飛香舎(ひぎょうしゃ)ですが、
宮中には妃や女御がお住まいになる住居がいくつもあってそれぞれに名前があり、
飛香舎はその一つでした。
帝のお住まいとは渡り廊下で結ばれており、
そして飛香舎の庭には藤が植えてありましたので、そこで藤花の宴が行われたわけです。
そして前書きの「延喜」とあるのが醍醐天皇、平安の初め頃に第六十代天皇としてあられた方です。
そういえばこの歌は、世にまみれていない、ほんとに真っ直ぐな混じりけのないものを感じます。
この醍醐天皇は、政治を人に任せっきりではなく、しっかりご自分でされた方でした。
ですからそんな政治のどろどろしたものに紛(まぎ)れてしまっても不思議はないわけですが、
こんな美しい歌を詠まれるのです。
天皇にまでなられる方には、きっと色んな事も飲み込めるような大きさがあるのでしょうね。
またこの歌の、何か世の濁りを越えたような趣きを表す大事な言葉は「万代(よろづよ)」だと思います。
直訳すれば一万年とか、一万の時代ということですが、意としては永遠ということでしょう。
そして藤が咲くのは晩春です。
残っていた冬からの寒さもようやく消えて、
この晩春から初夏にかけての頃が一年でいちばん心地のいい時節です。
そして、そんな最高の時節に眺めたからこそ、永遠に美しく咲く藤の花とまで思えたのではないでしょうか。
「かくてこそ 見まくほしけれ 万代(よろづよ)を かけて匂へる 藤浪の花」、
この「万代」の永遠の意は、この歌の全体にも広がって、
永遠に見ていたいという思いも浮かびます。
永遠の藤の美しさを このまま永遠に見ていたい。
醍醐天皇は今から1100年も前の方です。
でも、「万代(よろづよ)を」と詠まれたその思いは、晩春の時節が来ると、
今もどこかで藤の花を見ておられるのかもしれない・・・ そんな想像まで浮かんでくる晩春の夢のような歌ですね。
さあ、晩春そして初夏へ。部屋から外へも、気軽にそのまま外出できますね。
きっと心も広がるでしょう。それも楽しみに行きたいです!