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今月は

気持ちのいい時節ですね。
先月の晩春から今の初夏あたりがほんとに一番いい時節ですね。 ところがご存知のとおり、この気持ちいい初夏に梅雨入りとなります。 梅雨は例年ここ金沢では10日ごろから始まって40日以上続きます。 長いですよねー。 新盆も梅雨の間にあるので、新盆のお墓には行く日もお天気を見ながらです。 そして、梅雨の後半は体調を崩し易いということなので、 栄養や運動そして水分補給など、体調管理には気を付けて、 梅雨を乗り切って行きましょう。 そして外出の折には、ぜひぜひゆったり金花糖にお立ち寄りくださいね。
では、雨を詠んだ伊勢の歌です。

つがいでありました鶴の一つが亡くなって 、後に残された鶴がひどく鳴きなきましたら、そこで雨が降りましたので。

なくこゑにそひて涙はのぼらねど雲のうへよりあめとふるらん
〔鳴く声に 添ひて涙は 昇らねど 雲の上より 雨と降るらん〕

鳴く声に 添うように涙は 昇らないけれど 雲の上に天意によって 雨と降るのでしょう。
長年連れ添った相手が亡くなった。 鳴いても鳴いても相手は答えない。 声はますます大きくなって叫ぶかのようになったのでしょう。
もともと鶴の声は大きいです。 喉が長いですし加えて体内で気管が巻いていて、管の長さはトランペットと同じくらいあるのです。 ですから悲しい鳴き声がトランペットのように響き渡ったのではないでしょうか。 天まで届くかのような声だったのだと思います。
歌を詠んだ伊勢さんも、ほんとに悲しかったでしょう。 そして雨が降った時、この雨は天意だ、と閃(ひらめ)いたのではないでしょうか。
ただ今の我々は、声が天に届いたとか、そういう事はたまたまでそこまで本気に思うことはできません。 でも、伊勢さんが生きていた平安の初め頃、1100年前は違うのです。 そのころ醍醐天皇の命により「古今和歌集」が出ています。そしてその序文には
「天地(あめつち)を動かし、目に見えぬ鬼神をも哀れと思わせ・・は歌なり」
と書かれています。
天皇が出された本に、歌には、天地を動かし鬼神の心をも動かす力があると書かれているのです。 伊勢さんは、あの鶴の思いを込めた鳴き声が、まさに天を動かしたのだ、という感動でいっぱいだったと思います。
「鳴く声に 添ひて涙は 昇らねど 雲の上より 雨と降るらん」、 伊勢さんは歌の名人として知られた方でした。 この歌はある意味シンプルです。 上の句「鳴く声に 添ひて涙は 昇らねど 」が人智、 そして下の句「雲の上より 雨と降るらん」が天意です。 そのまま並んでいるだけですが、 これで全て伝わってきます。 さすが、名人が詠んだ感動の歌ですね。
さあ、梅雨入りです。 雨が続いても、やっぱり心が下を向かないように元気を出して行きたいですね。

甘味処 金花糖/石川県金沢市長町 3-8-12/tel 076-221-2087