今月は
長い冬を抜けて三月、待ちに待った桜の時節になりました。 とにかく今年の冬はここ金沢でも雪がほんとに大変でした。 雪かきで、年のせいかシップを肩や腰だけでなく、 背中にまで貼ることになってしまいました(笑) そんな冬を越えて、 暖かくなって花が咲く。外出も楽しいです。 いやー、ほんとに春はいいですね。 そして、暖かい春の金花糖にも、ぜひお立ち寄りくださいね。では、桜を詠んだ歌を、よみ人知らずです。前書きがあります。
ほんとうに趣きのある桜を折って、友のもとに送りましたら、その人から来ました歌。
桜ばないろはひとしきえだなれどかたみにみればなぐさまぬかな
〔桜花 色は等しき 枝なれど 形見(かたみ)に見れば 慰(なぐさ)まぬかな〕
桜花 美しさはあなたに等しい 枝ですけれど あなたの代わりに来たと見れば 心は晴れないなー。
楽しい歌ですねー。
この歌はよみ人知らずなんですが、この歌をもらった人の名前は分かっています。
伊勢さんという平安の千百年前の女性です。
伊勢さんが桜を折って友達に送ったら、お礼にこの歌が届いたというわけです。
ただその友達は男なのか女なのか、それは本当は分からないんですが、
ここはやはり男友達とした方が楽しいので男にしておきましょう(笑)
それで結局この歌は、趣のある桜と伊勢さんは同じくらいに美しい、
でも桜より伊勢さんの方がずっと魅力的と言ってるわけです。
なかなか上手いですね(笑)
相手の女性の美しさや魅力を誉め称えるというのは、
とにかく本人に言うわけですから言葉を選びますし難しいです。
多くの人に青春時代、
手紙を書いて相手の女性を褒め称えるのに失敗したという経験があるのではないでしょうか。
確かに普通の文章や言葉では難しい、でも平安時代には歌で伝えるという方法があったわけです。
優雅な時代ですね。
よみ人知らずさん、伊勢さんから美しい桜の枝を送られて、
チャンス!ここで褒め称える歌を詠むぞとがんばったのでしょうね(笑)
「桜花 色は等しき 枝なれど 形見(かたみ)に見れば 慰(なぐさ)まぬかな」、
普通なら意気込んで、あなたはこの桜より美しいとか書きそうなものですが、
そこを「色は等しき 枝なれど」《美しさは同じほどの 桜の枝ですけれど》としたのがいいですね。
そして、「形見に見れば 慰まぬかな」《あなたの代わりなら がっかりだなー》と結ぶ、
決まりましたね(笑) 花が咲いて、満開になって、
世が明るくなったような桜の時節にふさわしい歌ですね。
さあ、花を待つ時節です。
ここ金沢では、ウグイスが鳴いて10日ほどで開花です。
そうなると、まずウグイスが楽しみですね!