今月は
2015年 9月は
先月は、台風が行って、ちょうど立秋の頃から暑さもそれほどでもなくなって少し涼しくなりました。
虫の音もお盆が過ぎた頃から聞こえ始めましたから、
早めに鳴き出したような気がします。
残暑があまりなくて、
虫は別に喜んではいないでしょうが(笑) やはり体が楽なのがありがたいです。
そうなると、今月は読書よし、食欲よし、お出かけよしの時節になりそうな。
秋の9月、思い切り楽しんで行きたいです。
金花糖も、今月は秋の雰囲気です。
庭の景色も少しずつ秋らしい色になってきます。
そして、いよいよ秋の今月には 「抹茶ぜんざい」 はいかがでしょうか。
「抹茶ぜんざい」は、丹波大納言の餡と、
自家製アイスの美味しさをシンプルに楽しんでいただくメニューです。
餡の上にアイスが載って、抹茶の濃茶がかかっています。
そして彩りとして金箔と白玉が添えられています。
濃茶はシロップではなくて、お点前で使う抹茶を使っていますから、
餡とアイスの美味しさにより深さが加わわった味わいです。
ほんとに美味しいメニューです。
ぜひ今月は金花糖で、「抹茶ぜんざい」をご賞味くださいね。
では、秋を詠んだよみ人知らずの歌です。
秋風の吹きくるよひは蛬草のねごとにこゑみだれけり
〔秋風の 吹きくる宵は 蛬(きりぎりす) 草の根ごとに 声乱れけり〕
秋風の 吹いてくる宵は コオロギが 草の根ごとに鳴いて 声があちこち乱れているよ。
暑さが収まってくると虫が鳴きはじめますね。
初めの頃は、鳴いて止まってとか交互に鳴いてたりなんですが、
秋風が吹いてくるようになると、
あちこちで鳴いてまさに音が乱れている感じです。
さて、この歌のキリギリスですが、昔キリギリスと言っていたのは今のコオロギのことだそうです。
じゃあ今のキリギリスはどう言ったのかとなります。
実はそれがはっきりしないのですが(笑) 昔コオロギというと、秋に鳴く虫全般のことを言いました。
また漢字で 「蟋蟀」 と書くと今はコオロギと読みますが、昔はキリギリスと読んだということで、
なんともややこしい話です。(笑) とにかくこの歌はコオロギの話ということです。
秋風が来て、乱れるコオロギの声。
「秋風の 吹きくる宵は きりぎりす 草の根ごとに 声乱れけり」、
夜が更けて、虫の音が聞こえてくると秋になったなーと思います。
まさに初秋の趣いっぱいの歌ですね。
次は、秋の月を詠んだ和泉式部の歌です。
たのめたる人もなけれど秋のよはつきみでぬべき心ちこそせね
〔頼めたる 人は無けれど 秋の夜は 月見で寝(ぬ)べき 心地こそせね〕
私をあてにさせている 人はいないけど 秋の夜は 月を見ないで寝てしまう 気分になれないなー。
今夜来るのを期待させるような男はいないけど、
月を見ていたいから寝る気にはなれないね・・・ もちろん秋の月の美しさを詠んでいるんですが、
別に男のことなんて気にしてないよと、かっこよく言ってるようにも聞こえます。
というのも、この歌を詠んだ和泉式部さんというのはいろいろ恋愛を重ねた人だからです。
大恋愛もあって、愛人として男の家に住むことになり、
ついに本妻が頭に来て実家に帰ってしまったということもありました。
しかもその相手の男は時の皇太子の弟でした。
もちろん、当時の大スキャンダルです。(笑)
この歌を詠んだのがいつ頃なのか分かりませんが、とにかく和泉さんはもてました。
そんなモテモテの人が 「頼めたる 人は無けれど」、
期待させるような男はいないけどとか詠めば、言っては何ですが、
もてない人が言うのとは違います。(笑) 「頼めたる 人は無けれど 秋の夜は 月見で寝(ぬ)べき 心地こそせね」、
男がいなくても、月は美しく秋の夜は素敵だ。
一度こんな言葉を、かっこよく言ってみたい。そんなことを思ってしまうような歌ですね。(笑)
さあ、秋が来ました。中秋の名月は今月27日です。かっこいい歌が詠めませんかね。(笑)