今月は
2008年 6月は
今月は梅雨入りですね。
空気も湿って、気分もついつい湿りがち。
傘もささなきゃいけないし。(笑) 雨が降らなければ
お米なども大変なことになるのですが、
毎日しとしと、しとしとと降り続くとやっぱりいやになりますね。
さて金花糖は、今月からすっきり夏メニューとなります。
わらびもちに、きなこアイスと、
梅雨のじめじめ気分もすっきりのメニューです。
きなこアイスは、黒豆きなこを使った香ばしい味がほんとに美味しいです。
わらびもちも、もちろんおすすめ。
じめじめの梅雨どきも、ぜひ金花糖にお立ち寄りくださいね。
では、雨を詠んだ和泉式部の歌です。
物おもへばしづ心なきよの中にのどかにもふる雨のうちかな
《物思えば 静心なき 世の中に 長閑にもふる 雨のうちかな》
物思いで心も落ち着かない。
そんなことばかりの世の中に、雨は何事もなく降っている。
「雨のうち」は、「天(あめ)のうち」との掛ことばになっています。
そんな天の下に自分はいるのだなーという思いです。
和泉式部さんは、恋の多い人でした。
しかも激しい恋がいっぱい。(笑) 「世の中」という言葉には、男女の仲という意味もあるのです。
そんな自分の心とは関わりないような、
あくまでも長閑な雨に、
天は自分の思いなどは知らないのか・・・ と思う中で、
雨に自分よりはるかに大きな天を感じたのではないでしょうか。
同じ時代の僧であった源信は、こんな雨の歌を詠んでいます。
源信は、「往生要集」という浄土教の基になった書も著わされた方です。
おほぞらの雨はわきてもそそがねどうるふ草木はおのがしなじな
〔大空の 雨は分きても 注がねど 潤ふ草木は 己が品々〕
《大空の 雨は分けては 降らないが 潤う草木は 自分それぞれ》
雨は分け隔てなく降っても、それをどう受けとるかは自分しだい。
天は大きいけれど、恵みを受ける我々は小さいから・・・
和泉式部さんも、そんな思いが湧いたかもしれません。
「静心なき 世の中に のどかにもふる 雨のうちかな」、
まぎれもない迷いの心も何もかも、天のうちに包まれているように感じた、という思いですね。
でも、我々は今年の梅雨もまた、ただ迷い迷いの雨なんでしょうか。(笑)