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今月は

2005年 4月は

4月、いよいよ桜の時節が来ました。立春から行ったり来たりしながら 少しずつ暖かくなってきて、桜が咲くと、ほんとに春が来たと 思うものですよね。
金花糖も、庭からの光が明るく春らしい雰囲気になっています。 いつのまにか夕方も、6時が過ぎた頃も明るくなりました。 花を見てから金花糖で、ゆっくりとクリームあんみつで お寛ぎいただければと思います。
桜を詠んだ春らしい歌を

花ざかり 春のやまべを 見わたせば 空さへにほふ 心ちこそすれ

<花盛り 春の山辺を 見渡せば 空さえ映える 心地までする>

藤原師通(もろみち)の歌ですが、春はやっぱりこんな気分ですねー。 たしかに桜が咲いて景色に重なると、空も何もかも色が映えて 美しく見えてきます。 「空さへにほふ 心ち」、まさに桜が咲いた春らしい感じですね。
でも桜の美しさに酔いながら、ふと自分を顧みることも あるかもしれません。そんな思いの歌を

世の中を なになげかまし 山桜 花見るほどの 心なりせば

<我の身を なぜ嘆くだろう 山桜 花見るような 心であれば>

なにかすごく深い歌ですね!詠んだ人は、紫式部です。
桜を見て、心が美しさに包み込まれてしまうような、何か晴々とした気持。 紫式部は山桜の美しさに酔いながら、ふと自分への思いが湧いたのでしょう。 いつもこんな心でいられたら、人生も嘆かずに過せるだろう。 ほんとうに!!「花見るほどの 心なりせば」、いろんな思いが心に込み上げてくるような歌ですね。
桜咲く四月。花を見て楽しみ、 そして浮かぶ思いはどんなことでしょうか。

甘味処 金花糖/石川県金沢市長町 3-8-12/tel 076-221-2087