今月は
2018年 8月は
暑いです。いろいろ暑い理由を説明されてもとにかく暑い。
何度言っても同じなんですが口から出ます(笑) 小学生のころだったか、
「そんな暑いばっかり言っててもしょうがないから」と、たしなめられたことがあります。
確かにそのとおりなんですが、しかし考えてみればその頃は冷房なんて無い時代でした。
今は冷房が無かった頃はどうしていたんだろとか、
自分で思ってしまうんですが(笑) 無ければ無いで、
暑いぶん冷やした西瓜も美味しかったような気がします。
考えると不思議な感じですが、でも冷房だけでなく時代は変わったなーと思います。
今や日焼け厳禁! 水分補給必須! これも不思議なもので、
「水分補給が大事です」 とか何度も聞くと夏らしいと思います。
夏の季節感も変わってきたということですね。
金花糖も今月は、もちろんすっかり夏メニューです。
そしてやはり夏のメニューといえば、大好評の氷宇治金時です。
金花糖の氷宇治金時は、丹波大納言の餡に、
抹茶蜜は抹茶の深い味わいがしっかり生かされたものです。
すごく美味しいと大好評です。
氷金時の方は、餡の上品な味わいが格別で、これもとても美味しいです。
暑い夏はぜひ金花糖で、氷金時、氷宇治金時をご賞味くださいね。
では、夏の恋を詠んだ紀友則の歌です。
よひのまもはかなく見ゆる夏虫に迷ひまされるこひもするかな
〔宵の間も 儚(はかな)く見ゆる 夏虫に 迷(まど)ひ勝れる 恋もするかな〕
日が暮れて間もない宵の間も 火に惹かれて儚く見える 夏の虫よりも 行き惑うばかりの 恋をしているなー。
「飛んで火に入る夏の虫」 ですね。自分は夏の虫よりも激しく恋に惹きつけられ、行き惑い、どうなるのか分からない。
今は照明で火を使うことはめったに無いですが、昔はもちろん全て火を燃やすしかありません。
室内は油を使いました。外は灯籠は油ですが、かがり火やたいまつで燃やすのは松でした。
ぱちっぱちっと音を立てて燃える火に惹かれて、夏の虫は行き惑い飛び込んでしまう。
友則さんは、自分の恋が思い浮かんだのでした。
夏の虫から恋に惑うことが浮かんだのには、一つ今では気付きにくい理由があります。
恋は昔は平仮名で 「こひ」 と書きますが、これを今は 「コイ」 と読みます。
しかし平安時代までさかのぼると、「コヒ」 と、書かれているとおりに読みました。
例えば、「てふてふ」 は今は 「チョウチョウ」 と読みますが、
平安の頃はそのまま 「テフテフ」 と読みました。
これは、は行の発音はより正確には ファ フィ フュ フェ フォ だったようなのですが、
いずれにしても、火の発音と、恋の 「ヒ」 の発音は同じだったということです。
ですから恋にはヒ、火があるのです。
友則さんは、恋という火に惑うばかりになっていたのです。
火の周りを身を焦がしそうになりながら舞っている、この夏の虫が自分なのだ。
「宵の間も 儚く見ゆる 夏虫に 迷(まど)ひ勝れる 恋もするかな」、
松の油をばちっと飛ばし虫を惹き寄せて燃える火を、
友則さんは何かを思い、じっと見ていたのでしょう。
まさに燃えるような夏の恋の歌ですね。
さあ、燃える夏です。
七日が立秋なんですが、残暑も暑いもの。
日焼厳禁、水分補給で元気に行きたいです。