今月は
2021年 6月は
例年なら今月は梅雨入りとなるんですが、
なんと先月にもう各地で梅雨に入ってしまいました。
ここ金沢はまだですが、こんなこともあるんですね。
梅雨も、まだ初めのうちはいいんですが、
日が重なってきて気が付くと部屋の中はどこもベタっ!肌もなんとなくサラサラしない。
昔の歌ではないですが、これじゃ身体に いいわきゃないよと、いかにもそんな感じです。
加えてとにかく長くなりそうな梅雨、色々ありますがなんとか乗り切っていきたいです。
今月の金花糖は、梅雨のすっきりメニューで、わらび餅をいたします。
わらび粉は、れんこんのでんぷんを使ったものです。
きなこは黒豆きなこ、 そして自家製の黒蜜がかかっています。
すごく美味しいわらび餅ですよ。
自家製の黒蜜も、とても美味しいと評判をいただいています。
特製冷茶付きですから、梅雨のじめじめ気分にはほんとにぴったりです。
今月は金花糖で、ぜひわらび餅をご賞味くださいね。
では、梅雨、五月雨(さみだれ)を詠んだ藤原定家の歌です。
定家は、カルタでお馴染みの百人一首を作った人です。
五月雨の月はつれなき深山よりひとりもいづる時鳥かな
〔五月雨の 月はつれなき 御山(みやま)より 一人も出(い)づる ほととぎすかな〕
五月雨の 月は顔を見せず知らんぷりの 山から 一人なのかなぁみたいに出てくる ほととぎすなんですねー。
なにか面白い歌ですね。
昔の人は、とにかくほととぎすの鳴き声が大好きでした。
特に爽やかな初夏の月夜にほととぎすの声、
これは黄金の組み合わせで春の桜、秋の紅葉なみの情景でした。
でも梅雨はもちろんじめじめです。しかし晴れ間は意外と爽やかで、
これは気象学的にも初夏の晴れと同じ状態なのです。
さすが昔の人もそれは十分に感じていました。
梅雨は、晴れ間の月にほととぎすを楽しみにしていたのでした。
定家さんは、そろそろ月も出る頃だと月の上る山の方を眺めていたのでしょう。
しかし梅雨もさるもので、月は見せません。
そこになんか頼りなさそうに、ほととぎすが山から出てきたのでしょう。
定家さんとしては、ほととぎすさん、今はあなた一人で出てきてもも一つでしょう。
それに月も月だ、全然顔を出さないなんて、
情がないねー、と思いが浮かんだのではないしょうか。
「五月雨の 月はつれなき 御山(みやま)より 一人も出(い)づる ほととぎすかな」、
まあそんな思うようになるわけはないんですが(笑) それを無理にこう思うというのが面白さだと思います。
これも見立てでしょう。五月雨の頃の、なかなか粋な歌ですね。
さあ、梅雨真っ只中です。
体調を整えて梅雨も軽やかに、できるものなら粋にと行きたいものですね!