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今月は

2000年 11月は

11月は冬がぐっと近づく時節です。二十四気でも8日が立冬、 23日が小雪となっています。そして今は新蕎麦の季節ですね。 そこで金花糖では今月のメニューとして、蕎麦だんごを用意致しました。 蕎麦粉には国内産、石臼挽きのものを使っていますので、新蕎麦のあっさりした 風味をお楽しみいただけるのではと思います。
さて11月の異名は、神楽月(かぐらづき)です。 神楽はご存知 のとうり、神を祭るために奏する舞楽なんですが、もともとは神おろし、 つまり神を招き降ろして祈念する、そのための舞楽という意味があります。 10月は神が出雲へ行ってしまわれます。11月は、神が戻られるので 神おろしを行い祈念する月、神楽月はそんな意味ではないでしょうか。
今は神楽といっても、儀式用の神妙に聞く音楽ですが、 かってはそれ自体、すごく楽しまれたものだったようです。 枕草子の一節ですが

神楽の笛のおもしろくわななき吹きすまされてのぼるに、歌の聲も いとあはれに、いみじうおもしろく、寒くさえこほりて、うちたる衣も つめたう、扇持ちたる手も冷ゆともおぼえず。

<神楽の笛が、おもしろくふるえながら吹きすまされて昇ると、歌の声も すごく身にしみて実におもしろく、寒々と冷えこおって艶出しの衣も 冷たいことや、扇を持った手も冷えることさえ気づかない。>

神楽というのは、清少納言さんが、おもしろくて寒さも忘れるくらいの音楽だったんですね。

甘味処 金花糖/石川県金沢市長町 3-8-12/tel 076-221-2087