今月は
2006年 12月は
12月が来てしまいました。今年はいかがでしたか。
よく歳とともに月日の経つのが早くなるとか言われますが、
金花糖の一年は、やっぱり早かったです。(笑)
今年も、ほんとに多くの方にご来店いただきました。
本当にありがとうございました。
さて、今月はいよいよ本格的に冬になりますね。
先月は紅葉が遅かったですから冬も遅めかもしれませんが、
それでも今月は、金花糖でもストーブをいっぱいに点けて、
ガラス越しに見える庭は寒そうだけど、中は暖かい、そんな月ですね。
気忙しいこともある年の暮ですが、金花糖で冬の庭を見ながら、
ゆっくりとしていただければと思います。
では、冬の紫式部の歌です。
前書きに、悩むことがあったころ初雪の降った日に、とあって
ふればかく 憂さのみまさる 世を知らで 荒れたる庭に 積る初雪
《旧(ふ)ればこの 憂さのみ増える 世を知らず 荒れたる庭に 積る初雪》
初雪。
それまで見えていた汚れたものが全て消え、真っ白な世界が表れる。
雪は、生きてくれば悩みばかり増すような世も知らず、世をひたすら美しく見せている。
紫式部には、初雪の美しさに見惚れながらも、人の世が思われてしまうのです。
でもその深い思いを、あくまでも柔かく、美しく詠んでいます。
やっぱり源氏物語を書いた人ですね!!
そして、いよいよ年の暮。俊成女(としなりのむすめ)の歌です。
隔てゆく 世々の面影 かきくらし 雪とふりぬる 年の暮かな
《遠ざかる 世々の面影 乱れて暗く 雪とふりぬる 年の暮かな》
素晴らしい歌ですね!!
浮かぶ様々な思いが、日々遠ざかるにつれて、乱れそして暗さの中にまぎれて行く。
年の暮、その思いの溶け込んだ暗さの中から降るように、
冬の暗い空から乱れるように雪が降ってくる・・・・・
年の暮は、あらためて時の流れを感じるものですね。
また来年に。よいお年を。