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今月は

2003年 10月は

すっかり秋ですねー。涼しくて、空気が澄んで、気持ちがいいですね。
金花糖も、今月から冬メニューです。あったかいお餅のメニュー、 焼餅トリオ、ぜんざいが始まります。 手で搗いたお餅が、ほんとに美味しいです。ぜひ、またご賞味くださいね。 それから、夏メニューとして先月から始めました、抹茶ぜんざい、 すごく好評をいただきました。で、抹茶ぜんざいは、定番メニュー に致しました。秋も、お濃茶と餡のハーモニーをお楽しみください。
さて、夏のひやったい(冷鯛)大変好評でした。ありがとうございました。 いよいよ、暖かい鯛焼きが始まりました! 美味しい皮に、丹波大納言の餡がたっぷりの鯛焼き、 ぜひ楽しんでくださいね。
秋といえば、秋に咲く草花の中で、秋を代表するものとされるのが 秋の七草です。普通は眺めて楽しむものですが、 七草の一つ藤袴の匂いから、崇徳院(すとくいん)さんは歌を詠んでいます。

秋深み 黄昏どきの ふぢばかま 匂ふは名のる 心地こそすれ

< 秋が深くなって、黄昏時に、 藤袴が匂っているは、花が名告りをあげている心地がする >

黄昏は、「誰そ彼」<誰ですか、あの人は>の意味。 誰が誰だか分からなくなったような時刻に、 藤袴の匂いを感じて、藤袴が、いることを告げているみたいだ!と思ったのです。 崇徳院さんは、真っ暗な梅雨の夜に、橘の薫るのが素晴らしいという 歌も詠んでいます。匂いから感じるイメージ、そんな感性がすごく豊かな人 だったんでしょうね。
次ぎは、秋の物思いが詠まれた、式子内親王(しょくしないしんのう)の歌です。

跡もなき 庭の浅茅に むすぼほれ 露の底なる 松蟲の聲

< 人の訪れた跡もない庭の浅茅に、からむように付いた、 露の底にいる松虫の声 >

「露」は、涙の意。「松蟲」は、待つ虫の意。 式子内親王さんのまさに絶唱!これ以上、言葉が出ない。 10月、物思いの秋は、深まってゆきます。

甘味処 金花糖/石川県金沢市長町 3-8-12/tel 076-221-2087