今月は
2024年 5月は
いい時節ですね。
ここ金沢では、寒暖を見ながらいよいよストーブなどを片付けに掛かります。
金沢もすっかり春になったということですね。
ちなみに気象庁では、春夏秋冬など使う用語にちゃんと定義がありまして、春は3月〜5月のこととなっています。
すると今月は晩春、来月からは初夏です。
やはり梅雨入りまではほんとに穏やかな過ごしやすい時節ということで、出来ればここは気合いを入れて、心も体もフルパワーで行きたいものですね。
今月の金花糖は、メニューも春から初夏へで、夏の前、合いのメニューになります。
そして寒くも暑くもなくの時節に、 おすすめメニューは、紅茶あんみつはいかがでしょうか。
紅茶あんみつは、濃いめアールグレーの紅茶寒天が主役のあんみつです。
まずベースに紅茶寒天がたっぷりと入って、 その上に丹波大納言の餡に、自家製アイスが載せられます。
色どりには苺、キウイと生クリームが添えられて、
固定ファンがとても多い大好評のメニューです。
特製の白蜜が付きますので、お好みの甘さで紅茶寒天の味わいを楽しんでいただけます。
今月は金花糖で、ぜひ紅茶あんみつをご賞味くださいね。
では、春の僧正遍昭(へんじょう)の歌です。前書きがあります。
滋賀寺参詣から帰ってきた女どもが(私の寺のある)花山に入って、 藤の花のもとに立ち寄って帰りましたので、詠んで与えました。
よそに見てかへらむ人にふぢの花はひまつはれよえだはをるとも
〔他所(よそ)に見て 帰らむ人に 藤の花 延(は)ひまつはれよ 枝は折るとも〕
よそ事に見て 帰りそうな人に 藤の花、はい付いて絡みつけ!たとえ枝は折るとも。
すごい歌ですね(笑)
藤の花やまして自分の寺の事など、ちょっとは立ち寄っても何の関心もなさそうに行く女の人のグループに、
ふざけてこんな歌を渡したわけです。
ま、あんまりお坊さんのするようなことではないですが(笑)
でも遍昭さんの僧正(そうじょう)という位は、お坊さんの最高位です。
ですから修行をするのに、あえて最愛の妻にも伝えず、連絡も絶つことで辛い修行にも耐えて偉いお坊さんになったという話も伝わっています。
偉い坊さんの中には、後の時代の一休さんもそうでしたが、
何か突き抜けて自由奔放な方がおられます。
遍昭さんも特に和歌についてはまさにそうでした。
ある時、あの小野小町さんが奈良の石上寺に参拝して泊まることになりました。
するとこの寺に遍昭がいるという話を聞いたのです。
そこで小町さんは、試してみようと歌を詠んで伝えました。
岩の上に 旅寝をすれば いと寒し 苔の衣を 我に貸さなん
《石上寺にちなんで岩の上に 旅寝をしたら すごく寒いです あなたの僧衣を 私に貸して欲しい》
小町さんにお返事の歌が来ました。
世をそむく 苔の衣は ただ一重(ひとへ) 貸さねば疎(うと)し いざ二人寝ん
《俗世間に背を向けた 私の僧衣は ただ一枚です でも貸さなければあまりに冷淡な じゃあ二人で寝ましょう》
なんと小野小町さんに、「いざ二人寝ん」(じゃあ二人で寝ましょう)と言ってきたわけで、大変なものですね!
小町さんの方は、すぐにこれは本当にあの遍昭だと分かったそうです(笑)
まあ、小野小町さんにこんな歌を詠むくらいですから、
初めに書いた歌のように、
女の人のグループに対して、もっとこっちに関心を持ってと言うくらい訳ないことかもしれませんね(笑)
「よそに見て 帰らむ人に 藤の花 はひまつはれよ 枝は折るとも」、
この歌をもらった女の人達は、「はひまつはれよ 枝は折るとも」と読んで面白がって、
ワーッと盛り上がったのではないでしょうか。
気候も良くて、明るい春らしい感じがいっぱいの素敵な歌ですね。
さあ、晩春です。ここは美しい春を最後まで楽しみたいです。そして初夏へと。