今月は
2008年 11月は
秋が深くなりました。栗、さつまいもなど、秋の味覚もいっぱいです。
今月はまさに晩秋、紅葉狩りの時節ですね。
そして冬も少しずつ近づいてきています。
金花糖も、今はほんとに静かな雰囲気です。
季節メニューもお餅の冬メニューとなり、
そして、暖かい鯛焼きも始まっています。
金花糖の鯛焼きは、餡が小豆の味たっぷりで美味しい!! と大好評です。
小豆の味がたっぷりなのは、小豆に丹波大納言を使っているから。
皮も吟味した材料で、とても美味しくできています。
ぜひ、あつあつでお楽しみくださいね。
では、秋は紅葉を詠んだ読人しらずの歌です。1100年前の古今集から。
ちらねどもかねてぞをしきもみぢばは今は限の色と見つれば
〔散らねども かねてぞ惜しき もみぢ葉は 今は限りの 色と見つれば〕
《散らねども いまから惜しむ もみぢ葉は 今は最後の 色と見るから》
ほんとにそうですね!! 紅葉が過ぎれば冬。
はなやかな色を楽しむのは、これが限り。
そう思うと、散る前から惜しむ気持が湧いてしまう。
その頃は、もちろんですが写真もなければビデオもないわけで、
屏風などの絵があるだけです。
今よりも、ずっとずっと季節を惜しむ気持ちは強かったと思います。
でも、今よりもずっと季節の色を楽しむこともできたのでしょうね。
その思いが、「今は限りの 色と見つれば」と出たのではないでしょうか。
次は、紀貫之の紅葉の歌です。
紅葉ばのまなく散りぬるこの下は秋のかげこそのこらざりけれ
〔もみじ葉の 間なく散りぬる 木の下は 秋の陰こそ 残らざりけれ〕
《もみじ葉の 絶え間なく散った 木の下は 秋の陰こそ 残ってないが》
秋の終わり、紅葉が絶え間なく散っていく。
そして葉がすべて散り、秋の木の陰も無くなった。
春から夏、そして秋、ずっと見慣れていた木の陰が、
もう残っていない ・・・ でも、まだ木の下は、積もった紅葉の秋がいっぱいだ。
ほんとに美しい秋の終わりの光景ですね。
でもこの歌にはもう一つの意味が ・・・ この「秋」は「飽き」との掛けことばなのです。
そうです、女性との「飽き」が降り積もり、いっぱいになっているのです。
飽きは、上の方には見えないが、つまり陰は見えないが、下には積もっている。
それが 「秋の陰こそ 残らざりけれ」と、途中で切れた言葉になったのです。
飽きの陰こそ 見えないが ・・・・ と。
美しい奥に深さが!! 素敵な歌ですね。
さあ、いよいよ秋も終わり。
でも、終わりの秋をいっぱい楽しみたいですね。