バックナンバー

今月は

2018年 10月は

あんなに暑かったのに、ちゃんと秋らしくなりましたね。 いつのまにかパタと長袖になって、 自然の災害は大変なんですが、 それでもいつもどおりの季節が巡ってきてよかったです。 スーパーには少し前からサツマイモも並んで、そろそろ柿も出てくる頃でしょうか。 味覚よし、もちろんお出掛けもよし、秋の夜長はゆっくり音楽や読書を楽しめます。 ほんとにいい季節を、満喫して行きたいですね。
金花糖も今月は、もうすっかり秋らしい雰囲気です。 庭の眺めも、静かな秋です。 そんな落ち着いた秋の気分に、 紅茶あんみつはいかがでしょうか。 紅茶あんみつは、 濃いめアールグレーの紅茶寒天が主役のあんみつです。 ベースには紅茶寒天がたっぷり入って、 その上に丹波大納言の餡と、自家製アイスが載っています。 色どりには、生クリームと苺やキウイが添えられます。 固定ファンの大変多いメニューです。 特製の白蜜も付きますので、お好みの甘さで紅茶寒天の味わいを楽しんでいただけます。 今月は金花糖で、ぜひ紅茶あんみつをご賞味くださいね。
では、秋を詠んだ歌です。よみ人知らずです。

こむといひしほどやすぎぬる秋ののに誰松虫ぞこゑのかなしき
〔来むと言ひし 程や過ぎぬる 秋の野に 誰松虫ぞ 声の悲しき〕

来ようと言っていた そのうちに日にちも過ぎてしまった 秋の野に 誰を待つか松虫が・・・ 声が悲しい。
男が「来よう」と言ったのは、はかない、その場かぎりの言葉だったんですね。 今日か明日かと待ち続けて、 気がつけばすでにもう日が経ち過ぎている。 本当に来るつもりなら、こんなに長い間なにも無いはずがない。 こうなると確かに、あの松虫は誰を待つのかと、虫の音も悲しく聞こえてしまいますね。
秋は今は、なんとかの秋も読書の秋、行楽の秋など色んなものがありますが、 昔は秋といえば、ただただ物思いの秋でした。 見るもの聞くもの、落ちる葉を見ても、鳴く虫の音を聞いても悲しいという季節でした。 ですから秋は色々あって心に溜まったままのようなことが、秋の夜長に浮かんできて、 ああでもないこうでもないと物思いに耽ってしまうのです。
よみ人知らずさんは、男の言葉を聞いて待ち続けたわけですが、 それは心のどこかに何か強いものがずっとあって、それで持ちこたえていたのだろうと思います。 それがついに秋まで来てしまった。 秋になると、やはり心に溜まったものは夜長になんだかんだと浮かんでくるのです。 松虫の声は、聞けば聞くほど誰かを待つように鳴いているのです。 「来むと言ひし 程や過ぎぬる 秋の野に 誰松虫ぞ 声の悲しき」、 虫の音を、野の草を眺めながら、じっと聞いている女の人が浮かびます。 誰待つ虫ぞ・・・ 秋の、虫の音が悲しい恋の歌ですね。
さあ、秋の真ん中です。 夏はほんとに大変でしたから、ここは活発に行きたいです!

甘味処 金花糖/石川県金沢市長町 3-8-12/tel 076-221-2087