今月は
2012年 4月は
なかなか暖かくならなかったですね。
春はどうなってるんだろと思うくらいでしたが、
でも先月も後半になると、まだ寒かったですけど、
筍やふきのとうなどの山菜がお店に並んで、やはり春なんだなという気がしました。
そして遅ればせながら、ようやく桜です。とにかく今月は、楽しみですね。(笑)
金花糖も今月は、春らしい明るい雰囲気でおむかえいたします。
少し前までは日が短いのと天気がよくないのが重なって、
すぐに薄暗くなってしまいましたが、4月になると、ほんとに春の明るさはいいなと思います。
そしてそんな雰囲気での一服に、紅茶あんみつはいかがでしょうか。
紅茶あんみつは、餡とアイスそのものの味わいをを楽しんでいただく、シンプルなあんみつです。
丹波大納言の餡と自家製アイスに、紅茶寒天、
そして色どりに生クリームと苺、キウイが添えられています。
特製の白蜜で召し上がっていただくと、餡とアイスの美味しさがいっぱいに楽しめます。
ぜひ金花糖で、ゆっくりと紅茶あんみつをご賞味くださいね。
では、桜を詠んだ伊勢の歌です。伊勢は1100年前の女房で、帝の寵愛も受けた方でした。
前書きに、隣りの桜を見て送りました、とあります。
かきごしにみれどもあかずさくらばなねながらかぜの吹きもこさなむ
〔垣越しに 見れども飽かず 桜花 根ながら風の 吹きも越さなむ〕
垣越しに 見ていても飽きません 桜花 根も一緒に、風が 吹き越えてきてほしいです。
すごい歌を送ったものです。(笑) そう思ってしまうくらいに桜が素晴らしいですーという意で、
それにしても、お隣さんからこんなお茶目な歌が届くなんて楽しいですね。
昔はこういうこともあったんですね。
伊勢さんは、帝が作られる屏風の歌も詠まれていますし
歌の名人として知られた人でした。
でもこの歌を送った時は、もう六十過ぎだったということです。
そのころの六十過ぎというのは、もうほんとにおばあちゃんという雰囲気だった
のではないでしょうか。
お隣に住んでたのは藤原朝忠さんというまだ三十前後の人でした。
隣のおばあちゃんから来た歌に、
どんなお返事をしたのでしょうか。
桜花うゑて我のみみむとかはとなりありきもひとやするとて
〔桜花 植えて我のみ 見むとかは 隣りありきも 人やするとて〕
桜花 植えて私だけが 見ようとかは・・・ 隣り近所へのお出かけも どなたかあるのではと思って。
これは丁寧なお返事ですね。
お隣さんにも楽しんでいただきたいのです。よろしければ見に来てください。
お隣に住む、歌で名高いおばあちゃんに対する敬愛の気持ちが伝わってきます。
「人やする」と曖昧に言っているのは、目上に対する婉曲な言い回しです。
でもこのやりとりは、やはり 「根ながら風の 吹きも越さなむ」、この面白い句で、
お隣さんも盛り上がることになったのではないでしょうか。
「隣りありきも 人やするとて」、近所付き合いが
こんな歌のやりとりで、世代を越えてされる、ほんとに趣のある話ですね。
次は、源道済(みちなり)の歌です。
山ざとにちりはてぬべき花ゆゑにたれとはなくて人ぞまたるる
〔山里に 散り果てぬべき 花故に 誰とはなくて 人ぞ待たるる〕
山里に 散り果てるに違いない 花だから 誰というのではなくて 人が待たれてしまう。
寂しい山里できれいに咲いた桜。
もっといろんな人に見てほしいなーという気持と、
この桜の時節なら、客人が来るのも期待できるのだけど、
散ってしまったらもうほんとに誰も来ないだろうなーという気持ですね。
たしかにいつも静かなところにいると、人の声で賑やかなのはほんとに嬉しいです。
ましてきれいな桜が咲いていれば、お酒も入って、
やっぱり桜はとか言って(笑) 話もどんなに弾むことでしょう。
「散り果てぬべき 花故に 誰とはなくて 人ぞ待たるる」、
誰か来るなら今なんだけど、山里で桜を眺めながらのそんな思いが伝わってくる歌ですね。
さあ、桜の時節です。みんなで楽しむもよし、一人で楽しむもまたよし、ということで!!