今月は
2008年 8月は
ほんとに暑いですね。夏ですから当然なんですが体も大変です。
でも夏は休暇もあって、お盆には普段遠くにいる人も故郷に帰って、
楽しいことがいっぱいです。暑いけど、夏は大いに楽しみたいものですね。
金花糖も今月は、氷にくずきりと夏メニューが大人気です。
金花糖の氷は、やはり餡の美味しさにあります。
氷金時、氷宇治金時と、冷たくて餡と合わさった味がほんとに美味しいです。
暑い日にはぜひ金花糖で、氷をご賞味くださいね。
では、夏の藤原元真(もとざね)の歌です。
夏草はしげりにけりな玉桙のみち行人もむすぶばかりに
〔夏草は 茂りにけりな 玉桙(たまほこ)の 道行き人も 結ぶばかりに〕
夏らしいですね。
夏は草も木も茂って茂って、緑いっぱいになります。
その頃の人は、そんな草を結んで目印みたいにして使っていました。
例えば、友達や恋人の家の前を通って行く時に、門の近くの草を結んでいくのです。
訪問しても留守中だったりとかの場合にもありました。
見つけた家の人は、誰かが来たんだ、誰だろうとか思っていると、
お寄りできませんでしたのでみたいに手紙が届いて、
あの人が結んだ草なのか!! と心が通うわけです。
もちろん草が伸びていなければ、そんなことはできません。
だから夏になると、草木が茂ってとかだけではなくて、
草を結んであの人にお知らせできる季節が来たんだという思いも浮かぶわけです。
「夏草は・・・ 道行き人も 結ぶばかりに」、いろんな想像に、
自分の思い出も重なった歌なのではないでしょうか。
夏らしい、いろんな思いの浮かぶ歌ですね。
次は、紀貫之(きのつらゆき)の歌です。
前書きがあります。
志賀の山越えにて、
山の水場で、女の、水を両手を結んで飲むのを見て詠みました
結ぶてのしづくににごる山のゐのあかでも君に別れぬるかな
〔結ぶ手の 滴に濁る 山の井の 飽かでも君に 別れぬるかな〕
《結ぶ手の 滴に濁る 山の水場 飽き足りず君に お別れですね》
君が、両手ですくって水を飲む。結ばれた手から滴が落ちる。
山の水場は水量が少なくて浅いから、滴で水が濁っている。
だから君は水を十分には飲めず、飽き足りない思いでしょう・・・ 私も君ともっと居たいのに、
飽き足りないまま・・・ ここでお別れなんですね・・・
両手で水を飲む女の人の姿が浮かびます!! 素敵な歌ですねー。
「飽か」は、「閼伽」(あか)との掛け言葉になっています。
「閼伽」は仏前に供える水、つまり、少しだけの水という意が浮かぶのです。
女の人が両手で水を飲む姿、濁る水、見つめる思い、まさに見事に歌となっています。
「結ぶ手の 滴に濁る 山の井の 飽かでも君に」・・・ 素晴らしい歌ですね。
そしてこんな歌が生れるようなら、暑い夏もなんのそのかもしれませんね。(笑)