今月は
2014年 7月は
あっと言う間に一年も半分が過ぎました。
年をとると日の経つのが早いといいますが、
確かに早かったです。(笑) そして今は梅雨どきなんですが、ここ金沢では雨があまり続かないです。
暗い曇りは多いですが、雨がずっと続いてイヤになるみたいな感じがないのです。
いずれそうなるのかもなんですが、やはり天気もなかなか分からないですね。
今月は梅雨明けで、いよいよ夏です。
梅雨が明けた時には、いつも眩しい明るいとあらためて感じます。
とにかく暑いんですが、お休みもあって、
そしてその明るさが夏の楽しい気分を作っているように思います。
金花糖も今月は夏の始まりです。しばらくしたら、くずきり、氷を始めます。
くずきりは、吉野本葛のほんとに美味しいくずきりですよ。
本葛のものは時間が経つと固くなってしまいます。
ですから、必ずご注文をいただいてから作っています。
少しお時間をいただきますが、くずきり本来の味わいを楽しんでいただけるのではと思います。
蜜は、黒蜜と抹茶蜜の2種類をお付けいたします。
今月は金花糖で、ぜひくずきりをご賞味くださいね。
では、七夕を詠んだ 1000年前の女房であった新左衛門の歌です。
前書きがあります。
七月七日に男が、今日にしか逢えないという七夕のことは 懸けても言わないなど忌み嫌っていましたが、 それから私は忘れられてしまいましたので、七夕の出逢いの空を見て詠みました。
わすれにし人にみせばやあまのがはいまれしほしのこころながさを
〔忘れにし 人に見せばや 天の川 忌まれし星の 心長さを〕
忘れてしまった人に見せたいなー 天の川 忌み嫌われた星の 思いの長さを。
一年に一度だけ天の川を渡って出逢うという伝説はほんとにロマンチックですね。
昔の人も様々な想像をして、歌にもいっぱい詠まれました。
でも七月七日にしか逢えないということで、
新左衛門さんの男は、
そんなことは口にもしたくないと嫌っていたんですね。
一方この歌からは、
そんな苦い恋の思い出も、いつまでも執念のように持ち続けているというのではなくて、
すでに様々な思い出の一つとなっているような感じがします。
ですから七夕が来ると、七夕の季節の思い出として浮かんで、
それで感じた思いが詠まれているのではないでしょうか。
「忘れにし 人に見せばや 天の川 忌まれし星の 心長さを」、
七夕に私は、いつまでもいつまでも変わらない心を思う。
だからやっぱりあの男は間違ってたのよ。
まー、結局はそれを言いたかったのかもしれませんね。(笑)
次は、よみ人しらずの歌です。これも前書きがあります。
互いに親しくしていた中で、相手もこちらも思いはありながら、 隠さねばならないことがあって逢うことができなかったので。
よそながら思ひしよりも夏の夜の見はてぬ夢ぞはかなかりける
〔余所(よそ)ながら 思ひしよりも 夏の夜の 見果てぬ夢ぞ はかなかりける〕
二人がまだ寝てないときに 思ってたよりも 夏の夜の 終わりまで見られない夢は 儚いです。
「見果てぬ夢」、この言葉は古今和歌集に初めて出てくるのですが、
1100年たった今でも使われます。素敵な言葉ですね。
逢うことがはばかられる二人の、短い夏の夜の、終わりまで見れない夢・・・ 言わずもがなですね。
まだ関係のないときの方がよかった・・・ これはどんなドラマがあったんでしょうか。
でもこれは全く分からないのです。
この歌はよみ人しらずですが、わざと名前を隠したのかもしれません。
世間をはばかる恋のドラマで最も知られたものといえば
ああ、ロミオ、ロミオ、何故あなたはロミオなの。
知らないよ、と言いたくなりますが(笑) 世間をはばかる恋となればそう思うのだと思います。
そして、まさにこのよみ人しらずの歌に、そんな恋の嘆きが残されているわけです。
「夏の夜の 見果てぬ夢ぞ はかなかりける」、
こんなふうに思える人生の瞬間はどれだけあるでしょう。
ただただ冷めぬ恋の思い。その思いに、溜息の出るような歌ですね。
さあ、夏が来ます。
まあ熱い恋は無いとは思いますが(笑) 暑さに負けないように元気に楽しんで行きたいです。