今月は
2008年 2月は
今年の冬はあまり寒くないのかなーと思ってたのですが、
さすが、大寒の頃からどっと冷え込んできましたね。
今月は、4日が立春、19日が雨水(うすい)となっています。
雨水は、雪ばかりの空から、はじめて雨が降り潤う頃とされています。
まだまだ寒いけど、少しずつ春に向かい始める月ということですね。
でも大寒の頃からどっと寒くなって、改めてほんとに寒い日というのは、
外に出る時は、何か緊張するというか気力がいると思いました。(笑) そんな
寒い日には、暖かいお餅メニューで温まりましょう。
金花糖で、ゆっくりとぜんざいはいかがでしょうか。
この時節の金花糖は、庭の冬景色に、ゆっくり落ち着ける雰囲気がいっぱいです。
ぜひ、金花糖にお立ち寄りくださいね。
では、冬の月を詠んだ大弐三位(だいにのさんみ)の歌です。
山のははなのみなりけりみる人の心にぞいるふゆのよの月
〔山の端は 名のみなりけり 見る人の 心にぞ入る 冬の夜の月〕
《山の端は 名目だけです 見る人の 心に入る 冬の夜の月》
月は沈んで、山の端に入っているように見える。
でも、冬の夜の月は、本当は心に入っている。
素敵ですね!! 冬の月の、心に深く染み込むような趣ですね。
でも、冬の月というのは、古来あまり好まれないものでした。
雪景色は、昼の晴れた時なら、空の青に真っ白な世界が広がっているのですが、
冬の月で表れてくるのは、黒と白の景色です。
そこに心に深く入ってくるものを感じる、
これは大弐三位さんのいた平安時代の中ごろの、新しい感覚でした。
平安時代の中ごろ、画期的な物語が登場します。
源氏物語ですね!! 源氏物語には、その新しい感覚がありました。
そして大弐三位さんは、紫式部の一人娘でした!!
時時(ときとき)につけても、人の心をうつすめる花 紅葉の盛りよりも、 冬の夜の澄める月に雪の光りあひたる空こそ、あやしう色なきものの、 身にしみて、この世の外(ほか)のことまで思ひ流され、おもしろさもあはれさも 残らぬをりなれ。すさまじき例(ためし)に言ひおきけむ人の心浅さよ・・・(源氏物語)
《四季折々につけても、人が心惹かれる桜や紅葉の盛りよりも、 冬の夜の澄んだ月に雪の映え合っている空こそ、不思議に、 色はないものの身に染みて、この世のほかのことにまで思いがめぐり、 心惹かれることも哀れさも極まるものです。 これを興ざめなものと言い残した人の、心の浅さ・・・》
大弐三位さん、お母さんの薫陶はきっとすごくあったのだろうと思います。
紫式部も、学者であったお父さんからしっかり教育を受けたと伝えられていますし。
それにしても、月が見る人の心に入ってくる、「見る人の 心にぞ入る 冬の夜の月」、
これはほんとに素敵な歌ですね。
冬の月は、正直、思っただけで寒々とするのですが(笑) こうなれば今月は、
その深い味わいにぜひ触れてみたいものですね!!