今月は
2003年 9月は
もう、けっこう涼しく感じますね。いつもの年なら「まだ残暑が
きびしくて・・・」となるんですが、今年は、しっかり
秋になりはじめた感覚がありますよね。
さて、9月の金花糖は、新メニューが登場します。餡子の上に、
抹茶が濃茶でトローっとかかって、そこにアイスも
載っているのです。抹茶ぜんざいと名づけました。
濃茶が美味しそうでしょ、ぜひぜひ味わってみてくださいね。
それから、夏に始めた冷鯛(ひやったい)ですが、おかげさまで
大変好評でした。今月まで作っておりますので、また冷鯛を
楽しんでいただければと思います。
そして、あったかーい鯛焼きも始めます。末頃になると思いますが、
時節を見て始めたいと思っています。腕によりをかけて、鯛焼きシーズン
を待ち構えています。(笑)
さて、秋が来たことを感じさせるものとして古来歌われるのが、
爽やかな、それまでとは違う風、秋の初風です。
わがせこが 衣のすそを 吹き返し うらめづらしき 秋のはつかぜ
< わたしのカレの衣のすそが、風に吹き返されて、裏の色が素敵。 秋の初風が吹いたのだった >
風に吹かれて見えた、カレの衣の裏の色。そして、秋だと感じた。
なんて素敵な感覚なんでしょう!そして、裏の色にまで気を配る素敵な
カレは、誰なんでしょうか。残念なことにこの歌は、読人しらずなのです。
次ぎは、式子内親王(しょくしないしんのう)さんの歌
うたた寝の 朝けの袖に 変るなり ならす扇の 秋の初風
< (夏の短夜のつもりで)うたた寝をして、明けがた、袖からの感覚が 変った。なれた扇の風が、秋の初風になっていた >
平安時代には当たり前ですがクーラーはないので、扇の風がたより。
夏は、扇を使いながら寝たりしたようです。気がつくと、袖のあたりが
涼しい、そして扇をあおぐと、秋の初風がくるのです。
秋が来ました。
これから秋は深まってゆき、夜長、名月、紅葉の季節です。