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今月は

2023年 9月は

いや先月は暑かったですね。 いつまで暑いのかと思ってしまいますが、 ここはやはり暑さ寒さも彼岸までということで、秋分の23日あたりまでには と思っています。 季節は色んな所に少しづつ来ています。 今は暑いですが、それでも夕日が美しくなり、「秋は夕暮れ」、すでに夕日には秋が見えています。 そしてもう虫の音も聞こえます。 期待したいですね。
金花糖も、今月はだんだんと秋の雰囲気になってきます。庭も少しづつ秋の景色です。 そしてだんだんと秋の今月は、「抹茶ぜんざい」 はいかがでしょうか。 「抹茶ぜんざい」は、丹波大納言の餡に、 自家製アイスの美味しさをそのままシンプルに楽しんでいただくメニューです。 餡の上にアイスが載って、抹茶の濃茶がかかり、彩りに金箔と白玉が添えられています。 濃茶はシロップではなく、お点前で使う抹茶を使っていますので、 餡とアイスの美味しさが一段と深い味わいになっています。 ほんとに美味しいメニューです。 今月は金花糖で、ぜひ「抹茶ぜんざい」をご賞味くださいね。
では、秋の月を詠んだ藤原良経(よしつね)の歌です。

はるなつのそらにあはれをのこしける月を秋にてこよひ見るかな
〔春夏の 空にあはれを 残しける 月を秋にて 今宵見るかな〕

春そして夏の あわれを空に 残していた 月を、秋になって 今宵見ているんだなー。
日本の四季は、それぞれどれも趣きがあり見応えがあります。 そして月は、四季それぞれに素敵な趣きを見せてくれるのですが、 春も夏もも一つ脇役で必ずしも主役ではないのです。 「おぼろ月夜に似るものぞなき」とか素晴らしいのですが、やはり春は花であり、夏はホトトギスや蛍です。
また月はどの季節でも見れます。 ですから季節が過ぎ去っても、 月を見ると過ぎ去った時々の趣きやあわれが浮かんでくるなーと、 良経さんにはそんな思いがあったのでしょう。 それで「春夏の 空にあはれを 残しける 月・・・」 と詠んだと思います。
でもその脇役っぽい月が、秋になってついに魅力を最大限に見せる、誰が見ても主役になる時節が来たのです。 秋といえば月、そして虫の音で終盤が紅葉ですね。 特に中秋の名月は旧暦の8月15日。 その日は必ず秋分の日の近辺に来ます。 まさに秋のど真ん中の満月です。 ただ、ここで良経さんの見ていた月が秋のどんな月なのかはっきりはしません。 でも気持としては、色んな月を見て来たけれど、この秋の月を待っていた、 ついに来た!ということなのだと思います。
「春夏の 空にあはれを 残しける 月を秋にて 今宵見るかな」、 実は昔の歌にも中秋の名月といっても思い込みではという歌もあるのですが、いやいや、 やっぱり秋の月は素晴らしいです。 その秋の月を待ちに待った気分を、まさに見事に詠んだ歌ですね。
さあ、秋を期待の時節です。 秋を見つけて、楽しんで行きたいですね。

甘味処 金花糖/石川県金沢市長町 3-8-12/tel 076-221-2087