今月は
2007年 12月は
今年も最後の月になりました。
12月、そう聞くだけで何か気ぜわしい気もしてしまいますね。(笑) そして
いよいよ本格的に冬です。
ここ金沢でも、雪が来る、ストーブが1日中点いている、そんな時節になってきます。
冬の金花糖は、ほんとに静かな雰囲気です。
ストーブの音が少し聞こえて、暖かくて静かな雰囲気の中で、
ゆっくりとお過ごしいただければと思います。
そして冬はやはり、せんざい、焼き餅トリオの、暖かいお餅のメニューが人気です。
金花糖のお餅は、職人さんが手でぺったんぺったん搗いた、手搗きのお餅です。
ですから、お餅そのものの美味しさも味わっていただけます。
ぜひ金花糖で、お餅メニューをご賞味くださいね。
では、雪にちなんだ大江匡房(おおえのまさふさ)の歌です。
前書きに、分かれた女の人に書き送りましたとあります。
別れにし その五月雨(さみだれ)の 空よりも 雪ふればこそ 恋しかりけれ
《お別れの その五月雨の 空よりも 雪降ればなお 恋しいと思う》
別れたのは梅雨どきでした。
その暗い空が心を写しているようだと思った。
でもいま雪が降っているのを見ると、もっと恋しいと思う。
これは匡房さん、未練がいっぱいですね。(笑) でも、
空からふわふわ降ってくる雪には、
きっといろんな思いを起こさせるものがあるのです。
「雪ふればこそ 恋しかりけれ」、
未練がましい思いも、降る白い雪と共に描かれてすごく美しいお便りになっています。
こんなに美しく思いを伝えられるというのが、ほんとに素敵ですね!!
さあ、いよいよ年の暮。その思いを詠んだ紀貫之(きのつらゆき)の歌です。
年の内に 積もれる罪は かきくらし 降る白雪と 共に消えなん
《年の内に 積もれる罪は 乱れて暗く 降る白雪と 共に消え行け》
この思い、本当にそうありたいと思います。
雪の夜に空を見上げると、雪が暗闇から表れ、
そして掻き乱れるように降ってきています。
天の暗闇に積もった罪が、雪となり乱れるように降りそそぎ、
地に落ちて、そして全て溶け流れ行く。
「降る白雪と 共に消えなん」、そうあってってほしい!!
年の暮は、できるなら全て水に流して、やっぱりそんな気持ちになりますね。
では、よいお年を。