今月は
2007年 3月は
今月はいよいよ春。
冬があんまり冬らしくなかったので、いつもほど春が来たという感じではないのですが、
でもやはり気軽に外出もできますし、軽やかな気分になりますね。
そして三月といえば、ひな祭りです。
おひな様を見れば、もうほんとに春気分になりますよね。
金花糖でもおひな様をかざりまして、三月気分でお迎えいたします。
そして今月の特別メニューとして、雛祭りパフェをいたします。
短冊に切ったスポンジケーキに餡や苺が添えられた、
毎年恒例の大変御好評いただいるメニューです。
スポンジケーキも手作りです。
月の中ごろまでのメニューといたしますが、ぜひご賞味いただければと思います。
では、春を詠んだ菅原孝標女(たかすえのむすめ)の歌です。
孝標女は、更級日記を書いた人としても知られています。
前書きに、みんなで話をしてて、春と秋のどちらに心引かれるかと争いました時に、
多くの人が秋に心を寄せましたので、とあります。
浅緑 花もひとつに かすみつつ おぼろに見ゆる 春の夜の月
春の霞のかかった景色、美しいですね。
春と秋、どちらがよいかというのは、当時の人の大好きな話題でした。
何かというと季節の魅力を比べあって楽しんでいたようです。
ここは秋の人が多かったので、孝標女は、春の味方をして歌を詠んだわけです。
春は、霞がかかり色もぼんやり溶け合って、空は浅緑、花の色もひとつになって、
そして「おぼろに見ゆる 春の夜の月」。
上手いですね!これで争いは、ぐっと春の方に傾いたのかもしれませんね。(笑)
次は、後朱雀院(ごすざくのいん)の歌です。
ほのかにも 知らせてしがな 春霞 かすみのうちに 思ふ心を
《ほのかにも 知らせられたら 春霞 かすみの内に 思う心を》
恋歌です!すてきな歌ですね。
でもこの歌は、後朱雀院が皇太子であったとき、まだ十三歳くらいの時に詠んだ歌だそうです。
二歳年上の妃になる人に贈ったのです。
「かすみのうちに 思ふ心を」、はっきり表わすことはできないけれど、
心いっぱいになっている思い、それを「ほのかにも」、少しでもいいから知らせたい。
やはり十三歳の真っ直ぐな思いですね。
少年の詩才は、春の霞から「かすみのうちに 思ふ心を」と詠み出したのです。
すごいです。ほんとに素敵ですね!!
そして春は、いよいよ桜を待つ時節です。