今月は
2003年 6月は
6月は衣更え、金花糖のメニューも夏メニューになります。
まず、きなこアイスが始まります。今月の特別メニューも、わらびもち。
夏らしいですね。
きなこアイスは、丹波の黒豆きなこを使ったアイスです。
丹波の黒豆きなこは、すごく香ばしく味わい深い食材ですので、イタリアンやフレンチの
シェフの方も使われることがあります。アイスに使うのは珍しいのですが、
香ばしい、ほんとに美味しいアイスになっています。ぜひ味わってみてくださいね。
さて6月といえば、梅雨、さみだれですね。雨、雨で、早く晴れて欲しいと思って
しまうのですが、梅雨こそ美しいという歌があります。
さみだれに 花橘の かをる夜は 月澄む秋も さもあらばあれ
< さみだれに、橘の花が薫る夜は、月澄む秋もどうでもよいと思う素晴らしさだ >
崇徳院の歌ですが、さみだれの夜は闇夜、月も星も見えないのです。
その真っ暗の中に、雨の音があり、そこに橘が薫る。これはすごいセンスです!
音や薫りに繊細な感覚をもっていた平安貴族のなかでも、崇徳院さん、
特に優れた感覚の持ち主だったのではないでしょうか。
雨が止んだ時の歌では、和泉式部にこんなのがあります。
「雨も降り止んで月も出てきたのに、雨だれが鳴るのを聞いて」と前書きがあって
空見れば 雨も降らぬに 音ぞする ただ月の漏る 雫(しづく)なりけり
< 空を見れば、雨も降ってないのに音がする。ただ月の光の雲間に漏れた、 雫なのですね >
なんと美しい思いでしょう。何の音かと思って空を見た、ただ月の光が漏れて、 雫になっていただけだった。「ただ」が利いています。タメイキが出ますね!