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今月は

2003年 2月は

今月は、4日がいよいよ立春です。こちら金沢は、まだまだ寒い日が続きます。 でも立春が来ると、梅だよりが届きはじめ、やはり 春が近いと感じますね。
さて今月のメニューですが、前回の時も大好評だった、自家製のもなかです。 香ばしい皮は特製のもの、それに金花糖の餡が入ります。ほんとに美味しいです。 ぜひ、おためしください。
2月は梅津月、ということで、梅にかかわるお話を源氏物語から・・・
それは二月十日のことでした。源氏が庭の梅を楽しんでいるとき

前斎院よりとて、散りすぎたる梅の枝につけたる御文持て参れり・・・大きに まろがしつつ入れたまへり・・・
花の香は 散りにし枝に とまらねど うつらむ袖に あさくしまめや
ほのかなるを・・・

< 前斎院からといって、花がほとんど散った梅の枝に付けたお手紙を 持って来ました・・・(調合したお香を香壷に)大きくまるめながら入れてある・・・
『このお香の梅の香りは、花の散った枝のような私にはつきませんが、 薫りをうつされる、誰かの袖には深く染むでしょう』
うっすらとした墨で書いてあり・・・ >

すごい おしゃれですね!!
この前斎院さんというのは、朝顔さんというニックネームの、 源氏の憧れの人。歌を、うっすらとした墨で書くというところにも、センス が光っています。
さて源氏さん、どんなお返事をしたのでしょう。

御返りもその色の紙にて、御前の花を折らせてつけさせたまふ・・・
花の枝に いとど心を しむるかな 人のとがめん 香をばつつめど

< お返事も紅梅色の紙にて、お庭前の紅梅を折らせてつけさせます・・・
『私はその花の枝のような貴方に心を引かれます あなたは人が見とがめはしないかと香をかくしておられますが』 >

楽しい、大人のやりとりですね。でも、源氏のはちょっと平凡、センス負け してますね!(笑)
紫式部は驚くほど、物語に出てくる人の感覚になりきって、 歌を詠んだり話したりしています。それでいて理知的。 天才としか言いようがありません。

甘味処 金花糖/石川県金沢市長町 3-8-12/tel 076-221-2087