今月は
2005年 7月は
今年の梅雨は、ぜんぜん降らなかったり大雨だったり、何かおかしいですね。
今月はいつもなら続いた雨がカラッと夏になる、そんな月なのですが、
はたしてどうでしょうか。
でも今は、やっぱり蒸し暑い時節ではありますね、金花糖ではいよいよ、
くずきりと、氷を始めます。
くずきりは毎年ご好評をいただいている、吉野本葛を使ったものです。
また、本葛のみで作ったくずきりは、時間とともに固くなっていくので
作り置きができません。ご注文いただいてからお作りしますので
少し時間はかかりますが、
くずきり本来の美味しさを楽しんでいただけるものと思います。
蜜も黒蜜、抹茶蜜と2種類お出ししますので、
両方の味をお楽みいただけます。
蒸し暑い日には、金花糖でぜひくずきりをご賞味くださいね。
さて、藤原定家が詠んだ夏の歌です。
立ちのぼり 南のはてに 雲はあれど 照る日くまなき 頃の大空
「くまなき」は、陰りなきの意。まさに夏です。
そして詠まれているのは暑い寒いではなく、「照る日くまなき頃の大空」、
夏の大空そのものです。南のはての雲とともに、
何か果てしない大きさを感じますね。
そしてその「くまなき大空」に、見事なまでに陰りが無いからこそ、
定家は何か自然の流れ、時の流れというものを感じている
ように思えるのですがどうでしょうか。
次は凡河内躬恒(おほしかふちのみつね)の歌です。
前書きに、お隣から、庭に咲いている常夏の花、今でいう撫子を
いただけませんかと言伝てがあったのですが、
あげるのが惜しくてこの歌を詠んで贈ったとあります。
塵をだに すゑじとぞ思ふ 咲きしより 妹(いも)とわが寝る とこなつの花
<塵ひとつ 付けずと思う 咲いてから 妻と我(わ)が寝る とこなつの花>
つまり常夏の花は差し上げられませんというお断りなんですが、
すごく大切にしてる花だからという理由に加えて、
妻と私が寝る「とこ」みたいにねと、掛詞とノロケを入れて歌にしたのです。
上手いですね!!
これではお隣さんも、奥さんも大切にしてる花みたいだから
怒られるのかも・・・とか思って、
笑って納得だったに違いないでしょうね。(笑)