今月は
2018年 9月は
今年の夏は暑かったですね。こんなことがあるんですね。
今年は冬も大変でした。
古来、春と秋とどちらがいいかという話がよくあります。
源氏物語にも出てきます。
それは、
夏と冬は初めから論外ということです(笑) いつもは論外とまでは思わないのですが、
今年は間違いなく論外です(笑) ここは古来の伝統に従って、
まず気持ちのいい時節を秋に期待したいです。
金花糖も、今月はだんだんと秋の雰囲気です。
庭の景色もいよいよ秋です。
そして秋らしくなる今月は、「抹茶ぜんざい」 はいかがでしょうか。
「抹茶ぜんざい」は、丹波大納言の餡と、
自家製アイスの美味しさをシンプルに楽しんでいただくメニューです。
餡の上にアイスが載せられて、抹茶の濃茶がかかっています。
そして彩りに金箔と白玉が添えられます。
濃茶はシロップではなくて、お点前で使う抹茶を使っていますので、
餡とアイスの美味しさがより深い味わいになっています。
ほんとに美味しいメニューです。
ぜひ今月は金花糖で、「抹茶ぜんざい」をご賞味くださいね。
では、秋の初めを詠んだ徳大寺公継(きんつぐ)の歌です。
まどちかきいささむら竹風ふけば秋におどろく夏の夜の夢
〔窓近き いささ群竹(むらたけ) 風吹けば 秋におどろく 夏の夜の夢〕
窓に近く 少しだけ群がっている竹に 風が吹いて、秋なのか!ハッとして目覚めた 夏の夜の夢。
夏ももう終り、もう秋だ、と思いながらもまだ夏が残っている。
そんなとき夏の夜の夢に、秋の音が聞こえた。そして目が覚めた。
竹の群れに風が吹いても、それが夏の音か秋の音か、そんなことは日ごろ意識していないはずです。
しかしこの時に、風に吹かれた竹の音にいつもと違う音を感じたのです。
もちろんそれは頭の中にひとりでに残っていた感覚で、突然それを感じたということでしょう。
記憶というのは不思議ですね。
これを憶えておこうとか思っても、年のせいか(笑) いざとなるとどうにも出てこない。
ところが意識してなかったはずの感触とか匂いや音は、ふっと浮かぶのです。
過去は理知のそと、その力のおよばないところで、 何か思いがけない物質のなかに (そんな物質があたえてくれるであろう感覚のなかに) かくされている。 〔失われた時を求めて / プルースト〕
公継(きんつぐ)さんが見ていた夏の夜の夢に、群竹を揺らす風の音が突然入り込んできた。
秋だ、夏の夢は終りだ。
「窓近き いささ群竹(むらたけ) 風吹けば 秋におどろく 夏の夜の夢」、
夏の夜に見ていた夢は何だったのでしょうか。
その夏の夢が覚めて秋が来る。
何か劇的な幻想に、引き込まれるような歌ですね。
さあ、夜は虫の音が聞こえます。秋です。
なんとかの秋、なんとかの秋と色々ありますが、
とにかく今は爽やかな秋晴れが楽しみです。