今月は
2024年 7月は
じめじめ梅雨ですが、今月は後半に梅雨明けとなりますね。
ここ金沢では例年20日ころに梅雨明けです。
梅雨はもう天気は良くないわ、じめじめはするわなんですが、
夏は夏で暑いわ暑いわですからこの時節なかなか大変です。
でも、梅雨が明けた瞬間のカラッとした感覚は、気持ちのいいものがあります。
やはりずっとあったじめじめから抜けたというのが、肌とかで感じる気持ち良さなんでしょうね。
ここはなんとかその気持ち良さで元気をもらって、夏に向かって行きたいです。
金花糖も今月からは夏のメニューとなります。
中頃までは大好評のわらび餅、 そして時節に応じて、くずきり、氷の夏メニューになります。
くずきりは、吉野本葛を使ったものでほんとに美味しいです。
本葛のくずきりは、時間が経つと固くなってしまうので作り置きができません。
ですから必ずご注文をいただいてからお作りしています。
少し時間をいただきますが、くずきり本来の味わいを存分に楽しんでいただけます。
蜜は黒蜜、抹茶蜜の2種類をお付けしますのでお好みで味わっていただけます。
今月は金花糖で、ぜひくずきりをご賞味くださいね。
では、七夕を詠んだ歌です。よみ人知らずです。
久方のあまのかはらのわたしもり君わたりなばかぢかくしてよ
〔久方の 天の河原の 渡し守(もり) 君渡りなば 梶(かぢ)隠してよ〕
天の川の河原にいる 渡しの船頭よ あの君(きみ)が渡ったならば 舟を漕ぐ櫂(かい)を隠してしまってくださいね。
「君」は、昔は敬愛する人や貴人を敬って言う言葉でした。
この歌では、天の川を渡ってきた彦星、中国名で牽牛星のことを「君」と言っているわけです。
一年に一度しか逢えない恋人同士、この七夕の伝説に昔の人はすごく盛り上がりました。
歌もいっぱい詠まれました。
まあ色んな話題があるわけですがこの歌は、
一年に一度だけなのにその一晩だけ!! 朝が来たらもう終わりというのはあんまりだ、
ゆっくり楽しんでもらうにはどうすればいいだろう・・・ 天の川を渡り終わったら、
船頭さんに頼んで舟を漕ぐ櫂(かい)を隠してもらおう、そうすれば帰るのを諦めるしかない!
なんともお節介な歌です(笑)でも楽しい想像ですね。
こういう歌で七夕もより盛り上がったことでしょう。
でも、こんな変な想像ばかりして楽しんでたのかと思われても困りますので(笑)名誉回復にここはよみ人知らずの美しい歌も。
天の河 流れて恋ふる たなばたの 涙なるらし 秋の白露
《天の河 その流れに遮(さえぎ)られ恋い慕う 織姫の 涙なのかも 秋の白露》
美しい秋の白露は、あの織姫の涙なのかもしれない。
七夕の伝説にふさわしいロマンチックな想像ですね。
とにかく昔の人は、七夕のお話にほんとに色んな想像をして楽しんだわけです。
自由にみんなで想像を膨らませれば、それは盛り上がります。
そもそも中国からのお話では、織姫さんの方が、その日だけ天の川に架かるカササギの橋を渡って逢いに行くという話です。
でも日本の風習では男と女が逢う場合は、必ず男の方が、日が暮れてから女の家を訪れるのです。
すると七夕の想像も当然のごとく彦星さんの方が、
織姫さんの家を訪ねる話になります(笑) 天の川を渡るのも彦星さんは、
浅瀬を探しながらじゃぶじゃぶと歩いて渡って行くような歌が多いです A^_^;)
初めに書きました「久方の 天の河原の ・・・」という歌では、想像はもっと膨らんでいます。
まず天の川は舟に乗って渡るのです。
しかも自分一人ではなくちゃんと渡し守、船頭さんもいます。
そして彦星と織姫がゆっくり楽しめるように、船頭さんにも一役買ってもらおうというのです。
「久方の 天の河原の 渡し守(もり) 君渡りなば 梶(かぢ)隠してよ」、
舟を漕ぐ道具そのものを隠してもらう(笑) 調べてみると、
彦星は鷲座のアルタイル、織姫星は琴座のベガという星だそうです。
もちろん七夕の夜になってもこの星が本当に近づくわけではありません。
だからこそ昔の人は、いっぱい想像して盛り上がったのでしょうね。
そう思うとこの歌は七夕らしい、ほんとに楽しい歌ですね。
さあ、梅雨明けそして夏。気持ちで負けずに、楽しく行きたいですね。