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今月は

2005年 3月は

金沢は、先月は末にも雪が積もりました。 でももう三月、今月は春らしい様子が日ごとに表われてくる月ですね。
金花糖のメニューも、雛祭りパフェを致します。 苺に短冊に切ったスポンジケーキそして餡も添えられた、 春らしい楽しいパフェです。 思ってみれば、雛祭りパフェをお出しするのはもう5回目、 金花糖を開店させていただいた当初からの、 言わばお馴染み好評メニューです。 春三月らしい楽しい味わいを、ぜひご賞味くださいね。
さて春の到来に、式子内親王の歌です。

春ぞかし 思ふばかりに 打霞み めぐむ木ずゑぞ ながめられけり

<春ですね 心ゆくまで 霞んでる 芽ぐむ梢を ながめてしまった>

眺めれば、霞みわたってまさに春の景色。 そして芽ぐむ梢に、思わず見入ってしまったのです。 春が来たのだ!っていう式子内親王さんの気持ち、 すごく伝わってきますよね。
次は、花すなわち桜を待つ永福門院の歌です。

木々の心 花ちかからし 昨日けふ 世はうすぐもり 春雨のふる

<木々の心は 花はもうすぐ 昨日今日 世は薄曇り 春雨がふる >

まず浮かぶ情景が素敵ですね。 薄曇りに春の雨、冷たい雨ではなくて、少し暖かい柔らかな雨です。 それは木々の身も心も潤す雨のように思えます。 永福門院さんは春雨に濡れる木々を見て、花が咲くのも近い、 木々の心がそういう思いになっていると感じたのです。 何か感性が、ほんとに素敵な歌ですね。
そういえば12月には、「花を頼りに 春を待つかな」 という歌がありました。冬を越え、その時節がきたのです。 「花ちかからし」三月です。

甘味処 金花糖/石川県金沢市長町 3-8-12/tel 076-221-2087