今月は
2006年 4月は
桜が来ましたね。毎年変わらず必ず咲いてくれるのに、
なんでこんな楽しみなのかと思うほどです。桜は、ほんとにいいものですね。
さて金花糖も春になって、庭からの光も明るくなりました。
自然に春らしい雰囲気になっています。
ぜひお立ち寄りいただいて、金花糖のメニューをお楽しみください。
金花糖の美味しさのもとは、なんといっても一つ一つの材料にすごくいいものを
使っていることです。餡とかはもちろんですが、例えば白玉のようなものでも、
入手できる一番いい材料を使っています。
ほんとに滑らかな、つるんとした感覚はなかなか味わえないものだと思います。
一つ一つがみんな美味しい!桜を見られた後は、
金花糖で落ち着いて、一つ一つの美味しさをゆっくりお楽しみくださいね。
では、やはり桜の歌を。式乾門院御匣(しきけんもんいんみくしげ)の歌です。
あくがるる 心のままに 花をみば 春は山路や すみかならまし
<浮かれては 心のままに 花見れば 春は山路を 住み家にできたら>
「あくがる」は、心が体から抜け出していくという意味です。
桜を見ていると、憂さも消えるような、
ほんとに心が桜に引かれて行ってるような心地になりますね。
ずっとそんな心地でいられたら。
そんな思いから、桜の山路を住み家にできたらと浮かんだのでしょう。
春だけ!ほんとにできたらいいですね。(笑)
でも、せっかく咲いた桜もすぐに散ってしまいます。
その思いを詠んだ俊成女(としなりのむすめ)の歌です。
恨みずや 憂き世を花の いとひつつ さそふ風あらばと 思ひけるをば
<恨まずには! 浮き世を花は 厭いつつ 誘う風あればと 思っているのを>
風が吹くたびに花びらがひらひらと。
桜は、憂いの多いこの世を厭っているのかもしれない。
だから、風に誘われればすぐに一緒に行ってしまうのだ。
憂き世に残ったままの私は、それを恨まずにはいられない。
美しいまま何の未練もないかのように散っていく桜、
そこに俊成女はこの世のいろんな思いをこめたのでしょう。
でもそんな思いも、やはり桜が、
「あくがるる」ほどの眺めだからこそ浮かんできたのでしょう。
私たちは開花予想を見ながら、お花見はいつですか。ちょっと能天気に(笑)