今月は
2007年 10月は
あんなに暑かったけど、さすがに秋らしくなってきましたね。
それに秋刀魚、マツタケ、サツマイモ、クリ、ブドウ ・・・ いっぱい秋の味覚も出てきましたから、
もうほんとに秋らしいです。
金花糖も今月の季節メニューは、初めは白玉ぜんざい、そしてもっと
涼しくなった頃から、焼き餅トリオ、ぜんざいを始めます。
折をみて、鯛焼きもスタートです。
いよいよ、暖かいものも美味しい時節。
ぜひ金花糖で甘味を食べながら、ゆっくりとした時間をお過ごしくださいね。
では、秋の和泉式部の歌です。
人もがな 見せも聞かせも 萩の花 さく夕かげの ひぐらしの声
《誰か来て! 見せて聞かせて 萩の花 咲く夕陽には ひぐらしの声》
この美しさを、だれか人に見せたい聞かせたい!!
秋は夕暮れ ・・・ 清少納言も書いているように、秋の夕べはほんとに美しいですよね。
知ってはいても何度見ても、見ると美しいと思います。
そして「見せも聞かせも」、その感激した時の思い、興奮が伝わってくるのです。
和泉式部さん、やっぱり素晴らしいですね。
次は、式子内親王(しょくしないしんのう)の歌です。
から衣 裾野の露に たつ霧の たえまたえまは にしきなりけり
《唐衣 裾野の露に 立つ霧の 絶え間絶え間は 錦なりけり 》
美しいですね!
「から衣」は「裾野」の枕ことばです。
山の裾野は露が付き、そして一面の霧、真っ白でした。
でも見ると、その霧の真っ白な切れ目から、鮮やかな色が秋の花々や紅葉の色が見えたのです。
白いもやに浮かんだ鮮やかな色、はっとするような衝撃があったでしょうね。
そして、この白い霧の中は、鮮やかな色で満ちているのだ、という思いが湧いていったのだと思います。
「たえまたえまは にしきなりけり」、ため息が出るような!ほんとに美しいですね。
さあ、今年の秋は食欲の秋、そして美の秋で。