今月は
2005年 5月は
今年のお花見、いかがでしたか。
故郷の 花のさかりは 過ぎぬれど 面影去らぬ 春の空かな
見上げると桜がありそして空があった、
今見上げると、見える空に何か足りないような感覚が。
そう、花とともに見えていた空の思いが消え去らないのです。
足りない空に桜の面影が浮かびます。
源経信(つねのぶ)の歌なのですが、この感じ、なんか分かりますね。
そして、いよいよ新緑の時節となりました。
5月の異名は薫風です。辞書を引いてみると
くんぷう【薫風】 初夏、草木の緑をとおして吹いてくる快い風(日本国語大辞典)
とあります。確かに!5月はほんとに「快い」、
まさに薫風の月ですね。
あと辞書の言葉に、「初夏」とあります。今年は5月5日が立夏、
暦の上ではもう夏なのです。
金花糖でも、もう冷たい鯛焼き「ひやっ鯛」を始めました。
いつのまにか「ひやっ鯛」が美味しい時節になったのです。
金花糖は、今、庭が明るく感じ、ほんとに気持のいい空間となっています。
ぜひ金花糖で、薫風の時節ならではの心地よさを味わって
いただければと思います。
5月といえば、ほととぎすの声は聞かれましたか。
1100年前、素性(そせい)法師が詠んだほととぎすの歌です。
ほととぎす はつこゑ聞けば あぢきなく 主(ぬし)さだまらぬ 恋せらるはた
<ほととぎす 初声聞けば 耐えがたく 相手決まらぬ 恋をするやはり>
ほとぎすの初声を聞いて、誰にというわけではないのだけれど、
どうしようもなく恋する気持が湧いてきてしまったというのです。
わー素敵ですねー!
ただ、偉いお坊さんが「恋せらる」なんて言ってていいのだろうか
という気もします。(笑)
それはそれとして、でも、単にほととぎすの声というのではなく、
初声に何か特別な思いが湧くのです。
ちょっと興味深いですね。
今からほととぎすの初声、心をこめて聞いてみましょう。
何か素敵な思いが湧いてくるかも。