今月は
2021年 1月は
明けましておめでとうございます。
年が明けると、いい年になりますようにとお決まりのようにお願いするわけですが、
どうも世の中なにが起きるか分からないものですね。
今年こそは、本当にいい年にと思います。
金花糖は、今年は開店から22年目に入ります。
ありがたいことに、想像を越えた年数になりました。
それとともに歳も想定外となりましたが(笑) 皆様のお声に力を頂いて続けることが出来ております。
これからも、より美味しい甘味の工夫は続けてまいります。
本年もよろしくお願い致します。
では、新春を詠んだ式子内親王の御歌です。
春もまづしるくみゆるは音羽山峰の雪より出づる日の色
〔春も先づ しるく見ゆるは 音羽山 峰の雪より 出づる日の色〕
春が先ず はっきりと見えるのは 音羽山、峰の雪より 出る日の色です。
美しい素晴らしい感性ですね。
新しい春が来たとはっきり分かるのは、峰の雪から昇る、朝日の色だというのです。
想像するとほんとに美しい光景が浮かびます。
音羽山は京都の東にある山です。
新春の頃はこの峰から日が昇るようです。
この歌には美しいとかそういう言葉はないのですが、
その峰の雪から昇る日の色に先ず春が見える、
それはもう、どんなに美しい眺めだろうと思いが湧いてしまいます。
旧暦の新年はほぼ立春ですから、それは新しい年にふさわしい眺めに違いありません。
ただ正直なところ、
日の色をあまりまじまじと季節の違いとか見たことないので(笑) どんな春の色に見えたのかはちょっと想像がつきません。
でも、ここで思い浮かぶのはあの清少納言です。
春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山際すこし明りて・・・ 秋は夕暮れ・・・(枕草子)
古典の代表のような春は曙、秋は夕暮れですが、
こちらは日頃見ていると確かに分かる気がします。
清少納言さんの言うのは日の出直前で、この歌のは日の出ですが、
たしかに春はその頃がほんとに趣きがあると思います。
春は曙です。
式子内親王さんの感性は、
春は曙の美しさを、特に日の色の輝きが中心となった眺めとして感じたのではないでしょうか。
「峰の雪より 出づる日の色」は、周りの景色の中に表れてくる「日の色」がほんとに素晴らしいと閃(ひらめ)いて詠まれたように思います。
かってに想像を膨らませると、清少納言さんはああ言ってるけど、
春は曙のハイライトは「出づる日の色」ですよと、この歌を詠まれたような気もします(笑) 「春も先づ しるく見ゆるは 音羽山 峰の雪より 出づる日の色」、
声に出して読むと、音の響きに品格を感じます。
これは式子内親王さんの品格が表れたのでしょうね。
まさに新春にふさわしい、素敵な歌ですね。
さあ、新しい年です。
今は新しい展開に期待して、今年はよい年にと祈りたいです。