今月は
2020年 9月は
まだまだ暑いです。
でも夜は虫の音が聞こえます。
蝉が地面に落ちていたりもします。
そして日の暮れるのがだんだんと早くなりましたね。
ここ金沢では6時半になるともう暗いです。
暑さも秋分が22日ですから、
その頃には治まってほんとに秋らしくなってくるのではないでしょうか。
そしてサツマイモや栗、なかなか口に入りませんがマツタケも出てきます。
やっぱり秋は楽しんで行きたいですね。
金花糖も、今月はだんだんと秋の雰囲気です。
庭も少しずつ秋らしい景色になります。
そしてだんだんと秋の今月は、「抹茶ぜんざい」 はいかがでしょうか。
「抹茶ぜんざい」は、丹波大納言の餡と、
自家製アイスの美味しさをシンプルに楽しんでいただくメニューです。
餡の上にアイスが載って、抹茶の濃茶がかかり、
そして彩りに金箔と白玉が添えられています。
濃茶はシロップではなく、お点前で使う抹茶を使っていますので、
餡とアイスの美味しさが一段と深い味わいになっています。
ほんとに美味しいメニューです。
ぜひ今月は金花糖で、「抹茶ぜんざい」をご賞味くださいね。
では、夏の終わりを詠んだ俊成女(しゅんぜいのむすめ)の歌です。
沢水に秋風ちかし行く蛍まがふ光もかげみだれつつ
〔沢水に 秋風近し 行く蛍 紛(まが)う光も 影乱れつつ〕
沢の水にも 秋風が近い 行く蛍の はっきりと見えないような光も 水に映って乱れながら。
蛍ももう終わるのか、頼りなくやっと飛んでいるような。
その弱々しい光を映す水も、少し出てきた風に揺れ、映る光も乱れている。
季節が終わる。もう秋風が近いのです。
それにしてもすごく上手い歌ですね(笑)
秋近し。秋は今も昔も美しい季節です。
古来、春の桜に秋の紅葉と並び称され、春と秋どちらがいいかと論じられました。
それでは春と秋はいいことばかりなのかというと、そうでもないのです。
春は、美しい桜が散るのが気がかりで、一年でいちばん心の落ち着かない季節でした。
秋はといえば、一年でいちばん悲しい季節でした。
もちろん、そんな心の痛むことも含めて春の趣、秋の趣なのですが、
秋が来るとそれだけでどっと悲しくなるのです。
昔の人はまさに季節と共に生きていました。
新しい春の陽気が来て、盛んになって夏になる。
その盛んになった気が衰え下って行く季節、それが秋です。
秋はたしかに美しいです。
でも紅葉まで散ると、草木の華やかな色もそれで全て終わりです。
そのまま冬に入ります。
盛んだった気が衰えそして終わる季節、昔の人に秋はほんとに悲しい季節でした。
俊成女さんは、まだ暑い時節の中でこの歌を詠みました。
今の我々も連休がもう終わるとか思っただけで寂しい感じですが(笑) 秋がもう来そうなと思っただけで思いが湧き、
そして歌が浮かんだのでしょう。
「沢水に 秋風近し 行く蛍 紛(まが)う光も 影乱れつつ」、
今にも消えそうな光が、沢の水も風に揺れ、水に乱れて見える。
昔の人の秋に対する特別な思いです。天才歌人の美しい歌ですね。
さあ、秋らしくなってきます。食欲よし、読書よし、夜長は家でゆっくり楽しみたいですね。