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今月は

2007年 11月は

日も短くなりました。 朝晩もちょっと寒いくらいで、あの暑さも思い出になりました。 今月は紅葉も真っ盛りになります。ほんとに秋らしいですね。
金花糖もいつも以上にゆっくりと、静かな雰囲気になっています。 あったかいメニューも、ほんとに美味しい時節になりました。 こういう時節になると、やっぱり焼き餅トリオ、ぜんざいと、お餅のメニューが美味しいです。 ぜひ金花糖で、ゆっくりとお楽しみくださいね。
さて、秋の永福門院内侍(えいふくもんいんのないし)の歌です。

吹きしをる 四方(よも)の草木の うら葉見えて 風にしらめる 秋の曙

《吹きたわむ 四方の草木の 裏葉見えて 風に白(しら)むよ 秋の曙》

秋の曙、風が吹くと周り中の草木がなびき、そして白くなって見えた。 明け方のまだ薄暗い時、何か幻想的な光景ですね。
白くなるのは、風に吹き返されて裏葉が見えているのだと思ったとき、秋らしいと感じたのです。 葉が風で裏返って見えるのは、秋を象徴する光景だから。
鮮やかな色の秋ではなくて、まだ薄暗い中に見えた秋。 こんな中にも、秋らしさを見ていたのです。ほんとに素敵な感性ですね!!
次は、紅葉に思いをこめた俊成女(としなりのむすめ)の歌です。

色に見よ 秋の思ひの 深きえに こがれて染むる よものことのは

《色に見よ 秋の思いの 深き枝(え)に 焦がれて染まる 四方(よも)の言の葉 》

熱い思いです!
あなたの周りにある紅葉の色を見て!! 私の思いが深く染み込んだ枝に、 焦がれる思いで染まっている葉の色を。すごい熱いですね!!!
「言の葉」は、葉という意味と、言葉の意を懸けて言ったものですから、 焦がれて染まっている言葉ですという思いも伝えています。 しかも「深きえ」には、深き縁という意味もかかっているのです。 こんな歌をもらった男の人、どうなるんでしょうね!!(笑)
秋も晩秋となると、日も短くなって何か寂しい感じですが、 今年はここで、紅葉とともに激しく燃えるのもいいかもしれませんね。(笑)

甘味処 金花糖/石川県金沢市長町 3-8-12/tel 076-221-2087