今月は
2019年 7月は
今月は梅雨明けです。
いよいよ夏本番ですが今年の暑さはどうなのでしょう。
梅雨前の初夏は、すごい暑かったですね。
これで夏になったらどうなるんだろうとか思いましたが、
長期予報では、7月からは気温は平年並みか低めとのことで、はたしてどうでしょうか。
日本の四季の趣は素晴らしいのですが、
そのぶん夏も大変、冬も大変。
でも、毎年雪が積るここ金沢でも、昔からの家は夏向きに建てられています。
夏の蒸し暑さがいかに大変かということでしょう。
とにかく早め早めの水分補給が大事だとか。
今年もしっかり夏を乗り切りたいですね。
金花糖も、今月は夏メニューとなります。
中頃まではとても好評のわらび餅を続けまして、
折を見て、くずきり、氷の夏のメニューにいたします。
くずきりは、吉野本葛を使ったもので、ほんとに美味しいです。
本葛のくずきりは、時間が経つと固くなるもので作り置きができません。
ですから必ずご注文をいただいてから作っています。
少々お時間をいただきますが、くずきり本来の味わいを楽しんでいただけます。
蜜は黒蜜、抹茶蜜の2種類をお付けしますので、お好みで味わっていただけます。
今月は金花糖で、ぜひくずきりをご賞味くださいね。
では、七日の七夕を詠んだ閑院(かんゐん)の歌です。
閑院は平安時代の女性で、女房であったようです。
前書きがあります。
源昇朝臣(みなもとののぼる あそん)が、時々ですが通ってきておりました時期に、 七月の四、五日あたりに、七日のための装束をこしらえてほしいと、伝えてまいりましたので
あふことはたなばたつめにひとしくてたちぬふわざはあへずぞありける
〔逢ふことは 織女(たなばたつめ)に 等しくて 裁ち縫ふ技は あえずぞありける〕
逢うことができるのは 七夕の織女に 等しいですが 裁縫の技は 同じではないのです。
上手には出来ませんとは言ってますが、
歌の読み方しだいでは、七夕みたいにしか逢いに来ないのに、
こんな時ばかり都合のいいこと言ってきて・・・ がんばっていいモノを作ろうなんて気にはなれません、
という意になります。
まあ装束は作ったのでしょうが、気持ちは分かります。も少し気を使ったら!て感じですね(笑)
昔は服は一から作るものでした。
大きな豊かな家では、蚕を飼い、糸を紡ぎ、機織り、染色、裁縫と全て家で出来ました。
今でも宮中では、それを皇后様が一通りされるそうです。
大きな家は昔はそうだったのではないでしょうか。
普通には、その家で出来ない工程を、
つてのある所に頼んでそして作っていたようです。
源氏物語に、法事に納める女の装束を急いで用意しなければならなくなり、
布を織るのは他で急いでさせるので、
染めや裁縫をやってもらえないかと頼む場面があります。
この歌の場合も、七日に使うものを四日や五日に頼むわけですから、
恐らくそういうやり方なのだろうと思います。
閑院さんも不満はあったでしょうが、それをぐだぐだと言葉で言えば角が立ってしまいます。
それで七日の七夕にちなんだ歌で、さらっと詠んだわけです。
「逢ふことは 織女(たなばたつめ)に 等しくて 裁ち縫ふ技は あえずぞありける」、
閑院さんとしては、まあしょうがないか、
恥をかかせても何だしと言うところでしょうか(笑) 不満も口論にはならずに歌になる。
やはり優雅な時代を思わせる、七夕の歌ですね。
さあ、夏が来ます。
しっかり暑さ対策で、やはり明るい夏にふさわしく活動的に行きたいところです。
でもやっぱり暑いのでどうなるでしょうか(笑)