今月は
2020年 4月は
桜ですね。
毎年しっかり見ているのに、
新しい春が来て、見れば気が晴れて、心の重いものも消えるような。
やっぱり桜を見て春ですね。
そして春は、空からの光がほんとに明るいです。
春は古来、最も待たれ、そして最も喜ばれる季節です。
それは春の明るい光が、耐えてきた冬を終わらせて、全てを蘇らせるからだと思います。
春の気を浴びて、元気に楽しみたいですね。
金花糖も今月は、庭の光がやはり春ならではの明るさです。
そして花も春の花をいけてお迎えしています。
そこで今月のおすすめは、「抹茶ぜんざい」です。
「抹茶ぜんざい」は、丹波大納言の餡と、
自家製アイスの美味しさをそのままシンプルに楽しんでいただくメニューです。
餡の上にアイスが載りまして、抹茶の濃茶がかかっています。
彩りに、金箔と白玉が添えられます。
濃茶はシロップではなく、お点前で使う抹茶を使ってますので、
餡とアイスの美味しさが一段と深い味わいになっています。
ほんとうに美味しいメニューです。
ぜひ今月は金花糖で、「抹茶ぜんざい」をご賞味くださいね。
では、春の和泉式部の歌です。前書きがあります。
12月のころ織物を染めさせまして、染めに使う花はあるでしょうかと、ある人にお願いしました。 2月20日すぎの頃に送って来る時、相手の方が、花が乏しい春でしてねー、と言いましたので。
さけどちる花はかひなし桜いろにころもそめきて春はすぐさん
〔咲けど散る 花は甲斐なし 桜色に 衣(ころも)染め着て 春は過ぐさん〕
咲いてもぱっと散る 花は甲斐がありません 桜色に 衣は染めて着て 春は過ごしたいです。
これは、春の桜色に染めてもらったお礼の歌です。
染めた人の方が、染めるのに使う花が乏しかったから桜色がも一つで、
と言われたのに対して、いえいえ桜の花よりも服の桜色です、春はこの桜色を着て過ごしたいですと、
お返事に歌を詠んでわけです。
まあ昔は粋ですね。
昔は服はほんとに一から作りました。
ですから大きな家には、まず蚕を飼う所がありました。
そんな家では蚕から糸を作り、機織りで織物を、
そして染色し、打って艶を出し、そして縫い物と全て行いました。
伝統的なものが残されている宮中では、今でもそれを一通りされるそうです。
すごいですね。
普通はもちろんそんなことは、まず人手もかかりますし出来ません。
つてのある所に織物などは頼んで、自分は染色からするとか、縫い物だけするとかになります。
そういうことで和泉式部さんは、桜色の染色をお願いしたわけです。
ただ、我々なら桜色であれば薄いピンクしか思い付かないところですが、
昔は他に、表地が白で裏地を赤にして、透けた色で桜を表わすというのもありました。
お洒落ですねー。
また表は白ですが、裏地が青とか紫で桜を表わすのもあったようです。
でもいずれにしても、そんな桜色の染色に使うものは、紅花や青花(露草)と、花でした。
和泉さんに届けられたものは、花が十分でなくて桜色がほんとには出てなかったのでしょう。
相手の方が花が乏しくて、と申し訳なさそうに言われるのに、
和泉さんは気遣って、あえて色の良し悪しの話は出しません。
ぱっと散る桜より、私はこの桜色の服を着て春は過ごします、と返すのです。
「咲けど散る 花は甲斐なし 桜色に 衣(ころも)染め着て 春は過ぐさん」、
この気遣いに、染めた方もどんなに嬉しかったことでしょう。
それにしてもこんな歌がその場で出てくるとは。
紫式部も羨んだ、和泉式部さんの歌の才が表れた素敵な歌ですね。
さあ、春四月。四月は春の真ん中です。
ここで、心も桜色にしたいですね。