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今月は

2018年 4月は

春ですねー。 寒くはなくて、そして花が咲く、すっかり春です。 光もほんとに明るくなりました。 ここ金沢は冬が暗いです。 冬に見ていた眺めが、家も人もみんな明るく見えてほんとに気持ちがいいです。 そして春といえば、山菜も美味しいですね。 今年初めて食べた山菜の料理は、ふきのとう味噌でした。 今はいろんな食べ物の季節感があまり無くなってますから、 たらの芽やコシアブラなど山菜を見ると、ほんとに春だなーと思いますね。
金花糖も、今月は庭の光がすっかり明るくなって、花も春の花で、ほんとに春の雰囲気がいっぱいです。 お花見のお帰りには、ぜひ金花糖でゆっくりされてはいかがでしょうか。 そんなときの一服のおすすめは、「抹茶ぜんざい」です。 「抹茶ぜんざい」は、丹波大納言の餡と、 自家製アイスの美味しさをシンプルに楽しんでいただくメニューです。 餡の上にアイスが載って、抹茶の濃茶がかかっています。 彩りに、金箔と白玉が添えられます。 濃茶はシロップではなく、お点前で使う抹茶を使っていますので、 餡とアイスの美味しさがより深い味わいになっています。 ほんとに美味しいメニューですよ。 ぜひ今月は金花糖で、「抹茶ぜんざい」をご賞味くださいね。
では、桜を詠んだ藤原興風(おきかぜ)の歌です。前書きがあります。

貞保親王が、后宮(きさいのみや)の五十の賀をされました御屏風に、 桜の花の散る下に人が花を見ている所を描いてあるのを詠みました。

いたづらにすぐす月日はおもほえで花見てくらす春ぞすくなき
〔徒らに 過ぐす月日は 思ほえで 花見て暮らす 春ぞ少なき〕

無駄に 時を送る月日は 思いもしないで・・・ 花を見て暮らす 春の時は少ししかないなー。
花見て暮らす春は、はんとに短いですね。
これはちょっと面白い歌と思います。 桜を楽しめる時は短くて、 桜はどうしてもっと長く咲いてくれないのかと思うんですが、 しかし桜に不満を言う前に自分のことを振り返れば、 多くの無駄に過ごしている時間のこととかになるとあんまり考えてないです。 普段は記憶からも消えてますよね(笑)
桜の歌というとやはり美しさを讃えるとか、すぐ散ることを嘆くとか、 とにかく桜に心が全て行ってしまったような歌が多いです。 こういう反省みたいなことが入る歌は少ないです。 でもそれはこの歌が、前書きにもあるように屏風の、 桜を見上げている人が描かれている絵を見て詠まれたからと思います。 歌を詠んだ興風さんは、その時ほんとの桜を見てないわけですから、 桜を見上げている人を冷静に見て詠むことができたのではないでしょうか。
そしてこの歌から浮かぶものというと、 世の憂さを忘れるような桜と、 なぜか 「花見て暮らす春」 という言葉が残ります。 寒い冬をついに越えて、桜咲く春が来る。 ひょっとして我々日本人が好きなのは、単に桜というよりも、 桜を見て暮らす春なのかもしれません。 春の陽気に桜が咲いて、そこで暮らす春こそが何よりもいいのです。 「徒らに 過ぐす月日は 思ほえで 花見て暮らす 春ぞ少なき」、 冬が過ぎ、春が来て、桜が咲き、花を見て暮らす春。 これはまさに、そんな春の時間を惜しむ歌ですね。
さあ、春爛漫。 なんとなく固まっていた体も自然にほぐれて、いっぱい楽しみたいですね。

甘味処 金花糖/石川県金沢市長町 3-8-12/tel 076-221-2087