今月は
2020年 11月は
冷え込んできました。
ここ金沢ではだんだんとストーブの季節です。
毎年面倒だなーとか思いながらストーブを出してくるんですが、
点けると暖かいのはもちろんですが、
何か落ち着いた感じがあります。
ストーブならではの空気の感覚があるのかもと思っています。
そして今月は秋も終盤ということで紅葉です。
紅葉は春の桜に対して美しい秋を代表するもの。ほんとに楽しみです。
そういえば、秋は夕焼けの空の景色も実に趣があるように思います。
春はあけぼの、秋は夕暮、確かにそうかもしれません。
もうすぐ冬が来るまで、色んな秋をいっぱい楽しんでおきたいですね。
金花糖も、今月からは温かいお餅メニューということで、季節メニューに、ぜんざいと、焼き餅トリオを始めます。
お餅のメニューといえばもちろん餅が主役です。
金花糖の餅は、職人さんが手でぺったんぺったんついたお餅です。
手つきの餅は伸びに力があり、とっても美味しいです。
だんだんと冷え込んでくると、お餅はなんと言っても体が暖まって元気が出ます。
今月はぜひ金花糖で、ぜんざい、
焼き餅トリオのお餅メニューをご賞味くださいね。
では、秋の終わりを詠んだ和泉式部の歌です。前書きがあります。
十月四日、すぐ近くの紅葉を、風が吹き散らすのを寄せ集める時
こがらしの風のたよりにつけつつもとふことの葉はありやとおもはん
〔木枯らしの 風の便りに 付けつつも 問ふ言の葉は ありやと思はん〕
木枯らしの 風の便りに ことよせながらも 様子を尋ねる心をこめた便りが 待ち遠しいと、思いたい・・・
これは寂しそうですね。
私を気遣うような便りなんて来ないのだろう。
それでもそんな便りが待ち遠しいと、そう思いたい。
気持がひしと伝わってきます。
本当にそう思えたのでしょうか。
和泉さんと言えば、若いころ帝の親王と不倫大恋愛のスキャンダルを起こし、
親王が若くして逝去、その恋が終わるという経験をしています。
しかもそれをなんと2回も、二人の親王の方と。
紫式部は日記にこう書いています。
和泉はけしからぬ方こそあれ・・・ (紫式部日記)
《和泉は常軌を逸した所がありますが・・・》
紫式部にこんな風に書かれてしまうのもすごいですね。
でもでもこの歌が詠まれたのは、そんな時から多分もう20年以上も経った頃です。
もう晩年なのです。
一年一年の過ぎるのが、そして季節が過ぎ行くことが年々心にしみてくるのです。
秋から冬への時節、
木枯しが、もう地面に残っているだけの紅葉を吹き散らしてしまう。
それをを和泉さんは惜しむかのように寄せ集めて、その時にふと思いが浮かんだのでしょう。
「木枯らしの 風の便りに 付けつつも 問ふ言の葉は ありやと思はん」、
待ち遠しいと思いたい、
和泉さんが詠んだ秋の終わりの寂しい気分です。
その感性は衰えていません。
心に沁みるやっぱり素敵な歌ですね。
さあ、秋も奥に入って終盤です。
季節の変わり目は寒さの加減も微妙ですから、
しっかり健康管理で秋の終りを楽しみたいですね。