今月は
2017年 9月は
先月は台風が居続けて大変でしたが、
でもそんな台風も去って暑い暑いと思っているうちに、朝晩が涼しくなりましたね。
もう夜は虫の音が近くではうるさいくらいに聞こえます。
スーパーにはサツマイモが並んでますし、もうすぐ松茸も出るでしょう。
昼間はまだまだ暑いですが、やはり秋らしくなってきましたね。
金花糖も、今月は少しずつ秋の雰囲気です。 庭の景色もだんだんと秋です。
そして秋らしくなってくる今月は、「抹茶ぜんざい」 はいかがでしょうか。
「抹茶ぜんざい」は、丹波大納言の餡と、
自家製アイスの美味しさをシンプルに楽しんでいただくメニューです。
餡の上にアイスが載せられて、抹茶の濃茶がかかっています。
そして彩りとして金箔と白玉が添えられます。
濃茶はシロップではなくて、お点前で使う抹茶を使っていますので、
餡とアイスの美味しさをそのままに、より深味わいになっています。
ほんとに美味しいメニューです。
ぜひ今月は金花糖で、「抹茶ぜんざい」をご賞味くださいね。
では、夏から秋を詠んだ藤原頼宗の歌です。
ほどもなくなつのすずしくなりぬるは人にしられで秋やきぬらん
〔程もなく 夏の涼しく なりぬるは 人に知られで 秋や来ぬらん〕
急に 夏の涼しく なったのは 人に知られないで 秋が来たのでしょう。
この前まであんなに暑かったのに、急に朝晩が涼しくなってとか・・・ そういうことはありますね。
ただここで頼宗さんが思ったのは、秋が、人に知られないように来たのかもということでした。
思うに、誰かがこちらへ来ることを知っていれば後で顔を合わせても驚かないですが、
来てたことを知らないで顔を合わせると、それはやっぱりびっくりです。
すごい暑くて、これは秋もまだまだだ来ないと思っていたところで急に涼しくなって、
驚いた頼宗さんは、秋が人に知られないように来ていたんだと思ったわけです。
面白いですね。
まあ、今は気象衛星とか色々すごいものがあって、
天気予報もネットで見てみると1時間ごとの予報が出てたりしますし、
気圧配置がどうで今年の秋はこうなるとか何でも分かってしまいます。
そうなると、こういう面白い歌は読み難くなります。
そこはやはり優雅な時代の歌ですね。
「程もなく 夏の涼しく なりぬるは 人に知られで 秋や来ぬらん」、
いよいよ秋が来た。
そんな思いをちょっととぼけたような味わいで詠んだ、素敵な歌ですね。
次は、秋のよみ人知らずの歌です。
君しのぶ草にやつるるふるさとは松虫のねぞかなしかりける
〔君偲ぶ 草にやつるる 古里は 松虫の音ぞ 悲しかりける〕
あなたを偲ぶかのように 忍ぶ草が生えて荒れ果てた 昔の住み家では 待つ、松虫の音が 悲しいです。
これは、昔の恋人に送った歌なんでしょうね。
二人でいた思い出の家に来てみると、庭はもう雑草が生い茂って草むらになり、
家は軒に忍ぶ草も生えっぱなしになって、ほんとに荒れ果てた家になっていたのです。
ちなみに、むかし松虫と言っていた虫は、今の鈴虫のことだそうです。
そして今の松虫を昔は鈴虫と言っていたようです。
ややこしいですが(笑) ですからこの古里の庭は草むらとなって、
リーン、リーンと虫の音が響いていたのです。
昔二人でいた家が、こんな状態になっているのを見るのは本当に悲しいものでしょう。
それで昔の恋人を思い、歌を詠んだのではないでしょうか。
生えっぱなしの忍ぶ草は、あなたを偲ぶ思いで生えています。
雑草が茂るばかりの草むらには、あなたをまつ虫の音が響いています。
「君偲ぶ 草にやつるる 古里は 松虫の音ぞ 悲しかりける」、
悲しいのは荒れた家ばかりではなく、
かつての恋人とも、もう昔に返ることはできないと分かっているからではないでしょうか。
どれだけ待つ虫が鳴いても、昔は戻らない。
秋の悲しい古里の歌ですね。
さあ、いよいよ秋です。趣のある時節、時に感傷に浸るのもいいかもですね。