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今月は

2009年 3月は

今月はいよいよ春です。 3日が雛祭り、そして末頃には桜の話題でいっぱいになります。 まだ少し寒くても、3月と聞くと何か気分も違いますね。 やっぱり3月になれば、なんとなく春気分ということでしょうか。
金花糖も、今月はお雛様を飾り、メニューも雛祭りパフェが入って春気分いっぱいです。 雛祭りパフェは、短冊に切ったスポンジケーキに餡や苺が添えられた、色も春らしいパフェです。 スポンジケーキも自家製です。毎年大好評のメニュー!! ぜひ、ご賞味くださいね。
では、梅を詠んだ式子内親王の歌です。

袖のうへにかきねの梅はおとづれて枕にきゆるうたたねの夢
〔袖の上に 垣根の梅は 訪れて 枕に消ゆる うたた寝の夢〕

春のうたた寝。その夢の中で、袖の上に垣根の梅が訪れ、そして夢は消えた。 何??という歌ですね。(笑)
うたた寝は、手枕でします。すると顔のすぐ傍に袖があります。 ふっと匂った梅の香は、一瞬梅が袖に付いたような思い浮かんだのではないでしょうか。 それが、「訪れて」と詠まれたのは、やはり誰かが来たようにも思ったから。
その頃は、おしゃれに衣服に香を焚きしめました。 垣根の梅の香りに、あの人が訪れた!! と思いが走った。 瞬間のその驚きに目が覚めた・・・ 「垣根の梅は 訪れて 枕に消ゆる うたた寝の夢」
春のうたた寝に、式子内親王さんの秘めた思いが詠み込まれたのではないでしょうか。 不思議な歌ですが、春のいろんな想像が膨らむ素敵な歌ですね。
次は、清原元輔の歌です。今月は末になると、いよいよ桜の話題ですね。

にほふらむかすみのうちの桜花おもひやりてもをしきはるかな
〔匂ふらむ 霞の内の 桜花 思ひ遣りても 惜しき春かな〕

桜花が匂っています。でも、春の霞の内でよくは見えません。 美しさは思い描くだけ。そしてすぐに風に散ってしまうのでしょう。 いろいろ想像しても、惜しい春だなー。
実は、これは表向きの意味です。 この歌は、物越しにちょっと見えた女性に贈った歌でした。 そうです、この桜花は、 物越しに見た女性のことなのです!! 「匂ふらむ 霞の内の 桜花」、 この頃は優雅でしたね。素敵ですね。
この歌を詠んだ清原元輔さんというのは、陽気な快活な人だったそうです。 この歌にもやっぱり華やかな明るさがありますね。 その元輔さんの娘が、清少納言となります。 明るさはやはり通じるものがありそうですね。
さあ、少し寒くても桜が咲けば華やぎます。そうなれば、心もほんとに春ですね。

甘味処 金花糖/石川県金沢市長町 3-8-12/tel 076-221-2087