今月は
2017年 1月は
いよいよ年が明けて、
今年の冬は寒いのか暖かいのか何かよく分からないですね。(笑) でもとにかく年が明けると何かあらたまった感じで、
神社でお参りをすると、今年の始まりだなーと新鮮な気持になります。
もう半世紀を越えて繰り返しているわけですが、ちゃんとあらたまって新鮮な気持ちになって、
お正月はやっぱりいいものですね。
そして金花糖は、今年18年目に入ります。
こんなに続くとは思っていませんでしたので、
ほんとに皆様のお蔭としか言い様がありません。
ただ、続くと思っていなかったということは、
こんな歳までするとも思ってなかったということで f(^_^;) 惰性に流れないよう心がけていきたいと思います。
今も餡やアイス等あれこれ美味しくする工夫を重ねています。
本年もよろしくお願いいたします。
では、新春の歌です。後鳥羽天皇が詠まれた歌です。
ほのぼのと春こそ空にきにけらし天のかぐ山霞たなびく
〔ほのぼのと 春こそ空に 来(き)にけらし 天の香具山 霞たなびく〕
ほのかに 春が空に 来たようだ 天の香具山は 霞が長く引くように掛かっている。
新春のお祝いの歌です。おめでたいですね。
それにしてもこの歌は、
帝が大空を見渡し、そして山にたなびく霞に目を止めて詠まれたかのような、
何か堂々と詠まれた感じがします。
さすが天皇の歌ですね。
旧暦の新年というのはだいたい立春になります。
ですから新春に春の兆しがあるのがおめでたいのは、
やはり昔は、
農業が今よりずっと天候に左右されやすいものであり、
そして農業がまさに国の支えであったからではないでしょうか。
少し前に世界的な話題となった経済学の本 「21世紀の資本」 に書かれていることですが、
フランスでもイギリスでも・・・ 18世紀、 農業はすべての経済活動および雇用の約4分の3を占めていた。 それが現在では2、3パーセントにすぎない。(21世紀の資本 / トマ・ピケティ)
「4分の3」ということは、18世紀では農業がなんと75%です。
日本はきっともっと高かったでしょう。
18世紀より前のことについては数値化まで出来る資料が残ってないということで書かれていませんが、
でも思うに古代には、
農業はすべての経済活動の80%以上を占めていたのだろうと思います。
だからこそ新春に春の兆しが見える、言わば普通に春が来ていると、
歌を詠むことが本当におめでたいことだったのでしょう。
「ほのぼのと 春こそ空に 来(き)にけらし 天の香具山 霞たなびく」、
これは800年前の歌です。
でも今もまた、色んな意味で普通に季節が来ることが大事なことなのではないでしょうか。
今もこれは、やはりおめでたい歌ですね。
次は、雪を詠んだ凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)の歌です。
ゆきふりて人もかよはぬみちなれやあとはかもなく思ひきゆらむ
〔雪降りて 人も通(かよ)はぬ 道なれや あとはかもなく 思ひ消ゆらむ〕
雪が降って 人も通わない 道なのだろうか 跡形もなく 色んな思いも消えてしまうだろう。
雪がどんどん降って道も通わなくなってしまう、昔はほんとに大変だったろうと思います。
今は除雪がすごいですし、それにTVどころかスマホまであるわけですから、
雪に閉ざされるという感覚はあまり無いかもしれません。
昔は、道が通わなくなると、手紙も届かないですしほんとに閉ざされます。
「思ひ消ゆらむ」は、とにかく今までのことは思考停止。
籠って何かしながら時を待つしかない、ということでしょう。
思い出してみると子供のころ、雪がどんと降ると、通れるのはほんとに生活に必要な道だけで、
しかも歩く幅の分だけしか通っていないということがよくありました。
閉じこもって待つしかないわけですが、
そのせいか 「雪国の人は粘り強いから」 という言葉も聞きました。
ひとりでにそういう性格になってしまうのでしょう。
とにかく雪は大変です。
「雪降りて 人も通(かよ)はぬ 道なれや あとはかもなく 思ひ消ゆらむ」、
雪が降り積もり、思いまでも消える。
雪に閉ざされてしまう感覚が見事に詠み込まれた歌ですね。
さあ、新しい年です。今年はどんな年になるのでしょう。
いいことがいっぱいありますように!!