今月は
2017年 3月は
今月は、桃の節句に20日が春分です。
まだ寒暖はあっても、やっぱり春らしいと思いますね。
そしていよいよ桜が咲きます。
桜の開花は去年はここ金沢では今月30日でしたが、今年はどうでしょうか。
ちなみに気象庁のホームページを見てみると、
ウグイスが去年初めて鳴いたのは金沢では17日だったそうです。
それにしても気象庁というのは、ちゃんとそういう事を調べているんですね。
ウグイスは単に鳴いた日ではなく、
「ホーホケキョ」 と鳴いたのが聞こえた日とのことです。
そこまできちんと、すごいです。
ということで、今月は桜の前にまずウグイスの「ホーホケキョ」を楽しみにしたいです。
金花糖も、今月は冬眠から本格的に目覚めまして、
春の気分でおひなさまを飾りお迎えいたします。
メニューも今月は毎年恒例の特別メニューで、
ひなまつりパフェをいたします。
ひなまつりパフェは、短冊に切ったスポンジケーキに、
金花糖の餡や苺が添えられたほんとに春らしいパフェです。
スポンジケーキは自家製なので、そのしっかりした味を生かしたパフェになっています。
毎年大変好評のメニューです。
今月は金花糖で、是非ひなまつりパフェをご賞味くださいね。
では、梅を詠んだ源雅実(みなもとのまさざね)の歌です。
かをる香のたえせぬ春はむめの花ふきくる風やのどけかるらん
〔薫る香の 絶えせぬ春は 梅の花 吹き来る風や 長閑(のど)けかるらん〕
薫る香の 絶えることのない春は 梅の花 吹いて来る風が 穏やかなのだろうなー。
梅の香がずっと漂って春らしいですね。
梅の花が咲く頃というのはまだ暖かかったり寒かったりがあって、
いつになったらとか思ってしまうのですが、
こんな穏やかな日にはやはり春も来てるなーと思いますね。
梅は、もともと日本には無く中国から来たものですが、
初めは中国の漢詩文などの影響から輸入されたものだったようです。
何しろその頃はなんといっても中国が先進国でありお手本でした。
平安京などの都の造り方はもちろん、
国の法律である律令(りつりょう)でも中国をお手本にしたものでした。
そして役所の文書までが漢文ですから、
ほんとに多くの人が漢詩文を学び、そして読んでいたのです。
梅にはその花の美しさや気品ある香りの魅力に加えて、
お手本にしている国で最も愛されている花という印象もあったわけです。
そんなことからも、
貴族の家には梅の木がよくあったのだろうと思います。
ですから穏かな風が吹いていたりすると、
自分の家の梅はもちろん周りの家の梅の香りも漂って、
ほんとに絶え間なく梅が薫っていたのでしょう。
「薫る香の 絶えせぬ春は 梅の花 吹き来る風や 長閑けかるらん」、
早春の穏かな日、梅の香りに包まれて、
ほんとに心地よさそうな気分が伝わってくる歌ですね。
次は、桜を詠んだ藤原孝善の歌です。前書きがあります。
良暹(りょうぜん)法師のもとに居るかどうかと訪れましたら、 いろんな人を連れてお花見に出ましたと聴き、 いつもは誘うものなのにと思って、場所を尋ねて歌を送りました。
はるがすみへだつる山のふもとまでおもひしらずもゆくこころかな
〔春霞 隔つる山の 麓(ふもと)まで 思ひ知らずも 行く心かな〕
春霞が 隔てる山の 麓まで よく知らずにも 行く我が心でしたよ。
お花見に誘ってくれなかったのを恨む歌なんですが、
何か意味のあいまいな歌みたいですが(笑) 昔はちゃんと分かる歌でした。
今はお花見というと公園でもお寺でも、桜が植えられた所に行きます。
でも桜はもともと日本に自然にあるものです。だから昔はほんとにお花見となれば、山桜を見に行ったのです。
桜のある山に行き、自然にある桜をいっぱい見てまさに堪能したわけです。
しかし山の桜を見に行くとなると問題もありました。
まず、今みたいな開花情報などが有りません。
遠い所ほど様子が分からないわけです。
遠くから山を見て、白く何か雲がかかったように見えていると、もう咲いているようだと思ったりしたようです。
でも満開かとかは、やはり誰か見てきた人に話を聞いてから行ったのだろうと思います。
これで桜は満開大丈夫と思って行くわけですが、
そこに落し穴が・・・ 山の麓に着いて見たら、
霞が掛かっていて何も見えない(笑) 春霞が桜を隔てているのです。
山の霞というのは、雲そのものです。だからいつ晴れるかも分からず、
これはただただしょんぼりして帰ってくるしかありません。
「春霞 隔つる山の 麓まで 思ひ知らずも 行く心かな」、
お花見に、あなたの隔て心で置いてけぼりにされた私は、まるでこんな心持ちですよ。
これを普通の文章で書けばやはり角が立つものですが、
歌ならまあ角も立たず、
今も昔ものお花見シーズンらしい趣の歌ですね。
さあ、春です。もう、なんでもしたいですね(笑)