今月は
2014年 4月は
いよいよ桜です!!
でも先月はなかなか暖かくならなくて、
なんだかんだで春分の頃まで寒かったですね。
こんな寒さが尾を引いたみたいだと桜の開花はどうなんだろとか思いましたけど、
ほぼ平年並みとか。
最近は異常気象とかそういう話をよく聞くせいか、
平年並みと聞くと、良かったと思います。まあ、たんに年のせいかもしれませんが。(笑)
そして地面も草で緑になりましたね。
でも今年は庭の雑草がいつもより少ないです。
節分が過ぎても3月が来ても、ずっと寒かったせいかもしれません。
でも今から草もどんどん伸びてくるんでしょうね。
もちろん金花糖も今月は、春の花を生けて春の雰囲気いっぱいでお迎えいたします。
そしてそんな春には、「抹茶ぜんざい」はいかがでしょうか。
「抹茶ぜんざい」は、シンプルに
丹波大納言の餡と、自家製アイスの美味しさを味わっていただくメニューです。
餡の上にアイスが載って、上から抹茶の濃茶がかかっています。
あとは彩りに金箔と白玉が添えられていますが、
濃茶はシロップではなくて、お点前で使う抹茶を使っています。
ですから餡とアイスの美味しさが、
もひとつ深さが加わわって引き立つような味わいで、ほんとに美味しいです。
ぜひ今月は金花糖で、「抹茶ぜんざい」をご賞味くださいね。
では、お花見を詠んだ藤原師実(もろざね)の歌です。
前書きがあります。
白河院が桜を御覧に行かれるのに、お呼びがなかったので、歌を詠み申し上げました。
山ざくらたづぬときくにさそはれぬ老のこころのあくがるるかな
〔山桜 尋ぬと聞くに 誘はれぬ 老(おい)の心の 憧(あくが)るるかな〕
山桜を 見に行かれると聞くのに 誘われない。 老の心は ふらふらと抜け出て行ってしまったなー。
お花見に誘ってもらえなかったんですね。
まあ、これはひとこと言いたくなるかもしれませんね。(笑)
白河院というのは、もう天皇の位は譲ったんですが、
退位された後も政治の実権を握り続けていた方です。
師実さんは太政大臣ですから最高の地位にあった人ですが、
それでももちろん臣下です。
だから一言といっても、まあ言いにくいものです。(笑) でも普通には言えなくても、
歌なら、院にでもお花見に誘ってほしかったなーと言えるわけです。
歌は散文に比べるとあいまいです。でも歌だからこそ伝えられる。
昔の人はほんとによく歌を詠みました。それは慣習ということもあるでしょうが、
歌のそんな力を知っていたからだと思います。
そして、残っている話では、
この歌は白河院のお花見をしている所に届けられたものだそうです。
誘ってもらえないという恨み言だけなら、わざわざ別にそんな席に間に合わせなくてもいいわけです。
お花見の最中に、師実さんから歌が来ましたよ!! すごく羨ましがってますよー!! と、
これで花見の席もまた盛り上がる、師実さんはちゃんとそんなふうに歌も詠んでるわけです。
「山桜 尋ぬと聞くに 誘はれぬ 老の心の 憧るるかな」、恨み言も伝え、そして花見の席も盛り上げる。
歌ならではの力を感じる歌ということですね。
次は、大江匡房(まさふさ)の歌です。
山ざくらちぢに心のくだくるはちる花ごとにそふにや有るらん
〔山桜 千々に心の 砕くるは 散る花ごとに 添ふにやあるらん〕
山桜 千々に心の 砕けたものが 散る花ごとに 寄り添うのでしょうか。
昔の人はほんとに桜大好きなのはいいんですが、
大好きすぎて、とにかく散るのが心配でしかたがありませんでした。
咲き始めたら、すぐにもう悩み始めるのです。
それは心も砕けます。(笑)
でも我々でも、ぱーっと満開になって、それからひらひら、ひらひらと散り始めると、
もう終わりだなー惜しいなーという思いはひとりでに湧いてきます。
昔の人は、桜の散っていくのを見ながら、
散る花びらの一枚一枚に惜しむ思いが付いて離れなかったのでしょう。
匡房さんは、千々に砕けた心のカケラを一つずつ花に添わせているような、
そんな思いが浮かんだのですね。
満開の桜を見ると、なぜかほんとに幸せな気分になります。
花が散っていくと、たしかにそんな気持ちも散っていくような気がします。
「千々に心の 砕くれば 散る花ごとに 添ふにやあるらん」、
まさに花を惜しむ気持ちがいっぱいの歌ですね。
さあ、桜の時節です。ほんとにお花見が楽しみですね。
もちろんすぐに散ってしまうんですが、それもまた良しということで。