今月は
2010年 4月は
桜、桜で、4月ですね。
花も嬉しいですし、ここまで来ればやはり日々暖かくなってきて、
それも嬉しいですね。
それにしても、桜というのはどうしてこんなにいいんでしょうか。
見ていると、単に美しいとかいうのではなくて、何か心が躍るような、
いやなことでも忘れてしまいそうな、嬉しいとか楽しいとか
ひとりでにそんな気持になってしまいます。
そうして、お花見、お花見、となるわけですね。(笑)
金花糖も今月は、
庭からの光も明るくなって春らしい雰囲気がいっぱいです。
お花見のお帰りには、ぜひ金花糖で春を感じながら、
ゆっくりとしていただければと思います。
そしてそんな一服には、紅茶あんみつはいかがでしょうか。
紅茶あんみつは、餡やアイスの美味しさを楽しむシンプルな味わいのあんみつです。
丹波大納言の餡に、自家製アイスと紅茶寒天、
そして色どりに生クリームに苺とキウイが添えられています。
特製の白蜜で召し上がっていただくと、
餡やアイスの美味しさが存分に楽しめます。
ぜひ金花糖で、ゆっくりと紅茶あんみつをご賞味くださいね。
では、桜を詠んだ紀貫之の歌です。
花のかにころもはふかくなりにけりこのしたかげの風のまにまに
〔花の香に 衣は深く なりにけり 木の下蔭の 風のまにまに〕
気がつけば、花の香りに、衣はより深い香りになっていた。
桜の木陰の、風に吹かれているままに。
素敵な歌ですねー!! その頃は、衣に焚き染める香の調合に、
ものすごく心が配られ工夫がこらされました。
いくつか基本的な組み合わせはあるのですが、
そこにそれぞれの工夫が加えられるわけです。
もちろん、家々に伝わる秘伝というものもありました。
源氏物語には、光源氏と紫の上が、
それぞれにこもって家に伝わる秘伝の香を調合するという場面があります。
夫婦の間でさえ秘密なのです。(笑)
そんなわけですから、
衣にはもともといい香りが焚き染められていたんでしょうね。
でもその香りが、より深いものになっていたのです。
おお!! という驚きもあって、
新しい調合のインスピレーションも湧いたかもしれません。
そしてそれが、「木の下蔭の 風のまにまに」 起きたのでした。
その場の雰囲気、気分、何かそういうものがほんとうにいいですね。
桜の香りの 「風のまにまに」!! ひとりでに想像が湧き、
そして言葉は忘れてもその場面はずーっと記憶に残ってしまうような、
そんな素敵な歌ですね。
次は、白川院の桜の歌です。
さきしよりちるまでみれば木のもとに花も日かずもつもりぬるかな
〔咲きしより 散るまで見れば 木(こ)の本に 花も日かずも 積もりぬるかな〕
日本人は本当に桜が大好きです。
桜が咲き始めたときから、咲いた咲いたと心が躍り、五分、八分、
そして満開を心行くまで楽しみ、
ひらひらと散っていく花の美しさを愛(め)でる・・・ でも、ついに
木から花は消え、木の下には地面が一面に白くなってしまうほどに花びらが積もります。
桜はすぐに散るとは言うけれど、白川院さんは、
あの咲き始めた日から、
本当に飽くことなく楽しんだ・・・ 花びらも一面に積もっているけれど、
桜、桜だった日数も積もったのだ!! と、
桜の日々を確かめるように詠んだのです。
白川院さんも桜が散ってしまったことは本当はやっぱり残念なんでしょうけど、
何日もいっぱい楽しみました、と歌うことで、残念と思う気持にも一つ区切りが付きますね。
そして、桜が咲いて心が躍った日々も、自然に流れて次の時節になっていくのだ・・・ そんな
思いも浮かぶように思います。
「花も日かずも 積もりぬるかな」、桜の締めに、まさにぴったりの歌ですね。
なので、桜の4月の話題も、これで締めということに(笑)