今月は
2018年 6月は
今月は梅雨入りですね。
初夏の爽やか気候からじめじめ気候になるわけですが、
梅雨は日本の水資源の重要な供給源ということで、
年間降水量の約1/3がこの時期に降るそうです。
そう思えば、
豪雨や洪水はありませんようにと願うばかりですが、
外は雨続き、家の中はじめじめという時節も我慢我慢です。
そして体調不良など起きやすいので健康管理に要注意で乗り切りたいです。
今月の金花糖は、梅雨のすっきりメニューということで、わらび餅をいたします。
黒豆きなこと自家製の黒蜜がかかっています。とっても美味しいわらび餅ですよ。
自家製の黒蜜は、お客様からもとても美味しいと評判をいただいています。
そして特製冷茶付きですから、じめじめ気分にはぴったりです。
今月は金花糖で、ぜひわらび餅をご賞味くださいね。
では、梅雨、五月雨(さみだれ)を詠んだ藤原定家の歌です。
藤原定家は800年ほど前に今も親しまれている百人一首を作った人です。
たまぼこの道行びとのことづてもたえてほどふる五月雨のそら
〔たまぼこの 道行(ゆ)き人の 言伝ても 絶えて程経(ふ) る 五月雨の空〕
あの道を通って、行く人の 伝える便りも 絶えてずっと経つ、ずっと降っている 五月雨の空。
降り続けて誰も来ない、便りも来なくなった・・・ そんな梅雨の陰鬱な気分です。
昔は雨の日の外出は大変でした。
昔の物語には、恋人に誠意を見せようと、わざわざ雨の日に逢いに行く場面があります。
もちろん傘は挿すわけですが、昔の道ですから足は泥だらけ、
道には牛や馬の糞があったりしますから大変です。
こんな臭い匂いを付けて行ったら嫌われるとも思うんですが(笑) わざわざ雨の日に来てくれたと思えば、
これもいい匂いと思ってくれるだろうとか思って行くわけです(笑)
もちろん便りを届けるだけなら自分で行くわけではありませんが、
いくら従者でもそんな無理ばかりを言うわけにもいきません。
ですから小雨ではなくほんとに降り続けば、便りも途絶えるでしょう。
そして空は、一面の暗い空です。
まるで雨に閉じ込められたようにな気分になってくると思います。
またこの定家さんの歌から浮かぶのは、空っぽの誰もいない道です。
道は、雪のように埋まって見えなくわけではありません。
ちゃんと道があり見えるのに、雨だけが降っていて、がらんと空いて誰もいない道。
それを、じっと見つめているのではないでしょうか。
「たまぼこの 道行(ゆ)き人の 言伝ても 絶えて程経(ふ) る 五月雨の空」、
梅雨の重いような気分、そして何か余韻が残るような趣が、見事に詠まれた歌ですね。
さあ、梅雨に入ります。でもここは梅雨もまたよしということで、楽しみを持って行きたいですね。