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今月は

2020年 5月は

世の中は大変ですが、気候がいい時節になりました。 日が高くなってきたせいか、いつも通っている道でも何か明るさがあって景色が違って見えたりします。
そして今月は春も終盤、5日が立夏となります。 ここ金沢では、ようやくストーブをいつ片付けようかと、寒暖を見ながら考える時節です。 ただ温暖化のはずなのに、 歳のせいかストーブを片付けるのが遅くなっています(笑) でもでも、 いよいよ暖房も冷房もいらない時節になります。 今年は世の中ほんとに大変ですが、いい時節に乗って、気持ちは負けないように行きたいです。
今月の金花糖は、五月五日が端午の節句で、初旬には兜を飾りましてお迎えいたします。 そして寒くもなく暑くもなくの頃、 おすすめのメニューに、紅茶あんみつはいかがでしょうか。 紅茶あんみつは、濃いめアールグレーの紅茶寒天が主役のあんみつです。 ベースには紅茶寒天がたっぷり入って、 その上に丹波大納言の餡と、自家製アイスが載せられています。 色どりに苺、キウイと生クリームが添えられます。 固定ファンがとても多い、大変好評のメニューです。 特製の白蜜が付きますので、お好みの甘さで紅茶寒天の味を楽しんでいただけます。 今月は金花糖で、ぜひ紅茶あんみつをご賞味くださいね。
では、五月の源経信(つねのぶ)の歌です。前書きがあります。

五月五日、ある人が薬玉(くすだま)を下さいましたのに、どう言おうかなどとあって。

あかなくにちりにしはなのいろいろはのこりにけりなきみがたもとに
〔飽かなくに 散りにし花の 色々は 残りにけりな 君が袂(たもと)に〕

見尽くしてないままに 散ってしまった花の 色々は 残っていたんですね あなたの袂に。
昔は端午の節句には、邪鬼を払い、悪疫を除くものとして薬玉(くすだま)を送る習わしがありました。 これはその薬玉をもらったときに、御礼として歌を詠んだわけです。 昔は優雅に、心を表わす時は歌でした。
そして薬玉は、錦の袋に色々な薬や香を入れて玉にして、菖蒲や蓬を付け、 花で飾って五色の糸を垂らしたものです。

薬玉

これを柱などに掛けておき、邪鬼、悪疫を払いました。 飾りの花は造花なのですが、 これは秋まで掛けておくもので、 何か月も掛けるわけですからやはり造花なのでしょう。
でも歌を詠んだ経信さんは、 それを春に美しく咲き、 そして惜しまれながら散っていた色んな花に見立てて御礼としたのです。 散り去ったはずの美しい花が袂に残されていて、邪鬼、悪疫のお守りにと。 「飽かなくに 散りにし花の 色々は 残りにけりな 君が袂(たもと)に」、 歌をもらった人は嬉しかったでしょうね。 歌の名人であった経信さんにふさわしい、素敵な歌ですね。
さあ、時節はだんだんとより明るくなってきます。ここは気持ちも、その乗りで行きたいですね。

甘味処 金花糖/石川県金沢市長町 3-8-12/tel 076-221-2087