今月は
2021年 10月は
だんだんと涼しくなってきました。
今年は残暑はあまり無かったでしょうか、それでも先月の中頃くらいまでは少し暑い日もあったのですが、
すっかり長袖になりました。そういえば今月一日は更衣、制服が冬服に。
冬服は色も紺や黒ですから、見た目もほんとに秋になった気がします。
でもまだ暖房までは要りませんから、いい時節ですね。
夜は虫の音に夜長で、秋をゆっくりと楽しみたいですね。
金花糖も今月は、もうすっかり秋の雰囲気です。
庭の眺めも、静かな秋の趣です。
そんな秋の気分に、 紅茶あんみつはいかがでしょうか。
紅茶あんみつは、 濃いめアールグレーを使った紅茶寒天が主役のあんみつです。
ベースには紅茶寒天がたっぷり入って、 その上に丹波大納言の餡と、自家製アイスが載せられます。
色どりに生クリームと苺やキウイが添えられて、固定ファンの大変多いメニューです。
特製の白蜜も付きますので、お好みの甘さで紅茶寒天の味わいを楽しんでいただけます。
今月は金花糖で、ぜひ紅茶あんみつをご賞味くださいね。
では、秋に詠まれた筑前乳母(ちくぜんのめのと)の歌です。前書きがあります。
兄弟(姉妹)の人の家に住みました頃、萩が美しく咲いていましたのを、 家主は他に居まして音沙汰もなかったので、言い送りました。
しらつゆも心おきてやおもふらんぬしもたづねぬやどの秋はぎ
〔白露も 心置きてや 思ふらん 主(ぬし)も訪ねぬ 宿の秋萩〕
「心置きて」は、心置き無くの反対で、気兼ねして遠慮してということです。
白い露も 花に置かれて、心置きてと 思うのでしょう、主(あるじ)も訪れない 家の秋萩は。
家に居させてもらって有難いのだけれど、
家主の人が気を使ってか、全然顔を見せない・・・ 家の庭には秋萩が美しく咲きました。
白い露がその花の上に置かれているのを見て、
私も家に置いてもらっているけれど、私のために家を空けていただいているようで、
あの露も花の上で気兼ねをしているように見えてしまいます。
そんな気を使わなくても大丈夫です。
家に来てくださいねと、家主に思いを歌で伝えたのです。
こういうお互い言いにくいようなことを伝えるのは、
昔はまちがいなく歌でした。
この時でも歌を詠んだ筑前乳母さんは、
自分の気持ちを花に置かれた露に例えて歌にしました。
昔はこんな風にすることが特別ではなく、これが日常だったのです。
このお返事もきっと歌だったろうと思います。
なんと優雅な時代でしょうか。
こんな文化の国はないかもしれませんね。
「白露も 心置きてや 思ふらん 主(ぬし)も訪ねぬ 宿の秋萩」、面倒な話も季節や花の美しさに添えて。
時と共にいろんな事が変わっても、昔の美しい心は受け継ぎたい、
これはそんな思いにさせてくれる歌ですね。
さあ、秋の真ん中、いい時節です。秋は夕焼けの空も一番きれいですね。
美しい秋を存分に楽しみたいです。