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今月は

2007年 1月は

あけましておめでとうございます。
年があけました。今年はどんな年になるのでしょうか。 年が明けると、去年が良くても悪くても、また初めにもどって仕切り直しみたいな、 そんな気持ちになりますね。
そして、今月は冬本番となります。今年は雪はどうでしょうか。 雪は美しいのですが、雪国の人にとっては、雪かき等でなかなかやっかいものです。 ここ金沢でも、雪が降るとみんなお疲れモードになってしまいます。 それでも美しい雪景色はほんとにいいものです。 一服したいとき、金花糖で雪景色を見ながら、ゆっくりと過ごされてはいかがでしょうか。 今月は、やはりお餅メニューでしょうか。 ゆっくりした時間を、お楽しみいただければと思います。
ではお正月、初春の藤原定家の歌です。 定家は、お正月によくする百人一首を作った人ですね。 前書きに、「春立つこゝろをよみ侍りける」とあって

出づる日の 同じ光に 渡つ海(わたつみ)の 浪にも今日や 春は立つらむ

《出づる日の 同じ光に 大海の 波にも今日は 春立つのだろう》

お正月らしいですね。初日の出のその時、 光が射すと暗い中から海の光景が立ち現れる。初日の光から吹き込まれたかのように、 海にも初春の波が立っている。 「春立つこゝろをよみ侍りける」とあるように、 新年の新しい光が射すと、その光を受けて、全て大海の波までも何かあらたまるような、 ・・・ 単におめでたいだけの歌ではなくて、 元旦に感じるそんな思いが歌い込められています。さすが、藤原定家ですね。
次は、和泉式部の歌です

外山(とやま)ふく 嵐の風の 音きけば まだきに冬の おくぞ志らるゝ

《里山の 嵐の風の 音きけば 深まる冬の 奥ぞ知らるる》

冬に入った。でも近くの山の嵐の音を聞くと、まだまだ深まった冬、「冬の奥」を感じた。 空も地も、もっと冷えきってしまったような感じ、 それを「冬の奥」と言い表したところがすごいですね。 それは、何か冬に閉じ込められていくような感じを表しているような気がします。 和泉式部の感覚、やはり素晴らしいです!
年も明けて、冬は深まり、冬の奥となっていきますね。

甘味処 金花糖/石川県金沢市長町 3-8-12/tel 076-221-2087