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今月は

2022年 10月は

ひと雨ごとに暑さも落ち着いて、だんだん秋らしくなってきましたね。 外出も楽になりました。 年とともに暑さにも寒さにも弱くなりまして(笑)今は気楽に外へ出られるのが、 ほんとにありがたいです。 若い頃、 祖母がよく何でも「ありがたい、ありがたい」と言ってるのが不思議でしたが、 今になってみると分かるような気がします。 そして秋は食も、秋刀魚に松茸、柿に栗と色々楽しめますね。 ここ金沢では、魚も今からが美味しい時節です。 秋は元気の季節と行きたいですね。
金花糖も今月は、すっかり秋の雰囲気です。 庭の眺めも静かな秋の趣です。 そんな秋の気分には、紅茶あんみつはいかがでしょうか。 紅茶あんみつは、濃いめアールグレーを使った紅茶寒天が主役のあんみつです。 ベースには紅茶寒天がたっぷり入ります。 その上に丹波大納言の餡と、自家製アイスが載せられて、 色どりに生クリームと苺やキウイが添えられます。 固定ファンの大変多いメニューです。 特製の白蜜も付いて、 お好みの甘さで紅茶寒天の味を楽しんでいただけます。 今月は金花糖で、ぜひ紅茶あんみつをご賞味くださいね。
では、秋の凡河内 躬恒(おおしこうちの みつね)さんの歌です。 前書きがあります。

昔に言いかわしました人に、秋の野で逢って話をしましたその折に詠みました。

秋はぎのふるえにさける花見れば本の心はわすれざりけり
〔秋萩の 古枝(ふるえ)に咲ける 花見れば 本の心は 忘れざりけり〕

秋咲く萩の 古い枝に咲いている 花を見たら 昔の心は 忘れていないのですね・・・。
秋の萩には、二人の思い出があるのでしょうか。 言いかわした人となると、色んなことがあったのでしょう。 この古い枝は、あの頃にも咲いていた枝かもしれないと浮かんで来るのです。
秋の野で逢ったというのは、偶然に野原で出会ったのか、 何かで連絡が取れて懐かしいねとかで逢ったのかは分かりません。 でもまあ、そこが問題になっていないということは、 とにかく若い頃の懐かしさで二人で色んな話をしたということなのでしょう。
こんな場面であれば、 思いはもちろんあなたは昔の私に対する思いを忘れていなかったんですねということでしょうから、 今の我々なら、それをそのまま話して盛り上げるということになります。 でも躬恒さんは、 あからさまに言うよりも自然な雰囲気で、 ひとりでに二人に思いが込み上がるようなそんな感じでと浮かんだのでしょう。 躬恒さんも粋ですねー。
普段は全く消えている昔の思い。 でもそれは本当に消えてしまったのではなく、 何かのことで心の底から浮かび上がってくるのです。 「秋萩の 古枝(ふるえ)に咲ける 花見れば 本の心は 忘れざりけり」、 ああ、あの頃はそうだった! 昔の思いは忘れてはいなかった。 いい時間を過ごして、躬恒さんはまた日常に戻ったのでしょう。 昔の秋がよみがえる、ほんとに素敵な歌ですね。
さあ、秋も真ん中です。 秋の夜長といえばまず読書でしたが、世も移り今はインターネットもありますね。 粋に行けるかは分かりませんが(笑) もう、いっぱい楽しんで行きたいです。

甘味処 金花糖/石川県金沢市長町 3-8-12/tel 076-221-2087