今月は
2002年 11月は
11月は、紅葉が美しくそして木枯らしが吹き始め、秋から冬に変わっていく月ですね。 今月のメニューは、今が旬、新蕎麦だんごです。新蕎麦のあっさりとした味わいを、 金花糖の餡と共にご賞味ください。今の時節の金花糖は、やはりいつもより落ち着いた 雰囲気となっています。秋の暮れゆく時間を、ゆっくり楽しんでいただけるのでは ないかと思います。
行く秋の なほ頼もしや 青蜜柑 ・・・ 芭蕉
この時期は草花も枯れていき、自然を見るとなんとなく寂しいものですが、
蜜柑はまだ若い青さが残り、これからという感じです。芭蕉は、この時節の中で若さ、明るさを
感じて、頼もしい!と思ったんでしょうね。
この秋から冬への時を、紅葉から詠んだ歌があります。
もみぢ葉の 散りゆく方を 尋ぬれば 秋も嵐の 声のみぞする
< 紅葉の散っていく先を尋ねれば、秋も嵐、「秋もあらじ」の声だけがする >
崇徳院(すとくいん)の歌です。紅葉、散る、風、嵐、秋もあらじ、秋の色んなものも無くなり冬に変わる。
こんな連想が、見事に歌となっています。秋を惜しむ思いが感じられますね。
この歌、明日から暦では冬になる日に、
つまり秋最後の日に詠まれたとのことです。
しかし紅葉といえば、小大君(こだいのきみ:平安中期の女官)にはこんな歌があります。
おぼつかな 何に来つらむ 紅葉見に 霧の隠さる 山のふもとに
< 分からない!何に来たのか? 紅葉を見に、霧で隠されている山のふもとにまで >
せっかくここまで来たのにっ!と小大君さん、頭にきてるん ですね(笑) ま、そんなこともあったでしょうね(笑)