今月は
2000年 9月は
9月は「夏バテ」と「月見」、これをテーマとした企画となって
います。
まず夏バテ用として、メニューに、梅ジュースを加わえました。梅は、もともと
日本にはなかったもので、(古事記、日本書紀には出てこないそうです。)
薬用として中国から、実の加工品だけが入っていたもののようです。今年は、
この、古来 薬効の知られる梅のジュースで、夏バテを乗り越えま
しょう!!
月見にちなんで金花糖では、この時期だけに使う器を
用意しています。もちろん絵柄が、月見ゆかりのものです。これを、
季節の移り変わりに合わせて、
使っていこうと思っています。季節の雰囲気を、器でも、お楽しみいただけ
ればと思います。
9月には「寝覚め月」という異名があります。この「寝覚め」は、
朝、眼が覚めることではなく、途中で眼が覚める意味なんですが、でも、なぜ
「寝覚め月」なんでしょうか。その意味を教えてくれる和歌があります。
遥かなる もろこしまでも ゆくものは 秋の寝覚めの 心なりけり
大弐三位(だいにのさんみ 紫式部の娘です)の歌です。これは物思い、 しかも恋の物思いの歌です。 秋の夜は長い。物思いの心は、ああでもないこうでもないと巡り 巡って、どんどん遠くまで行ってしまう、どこまでもどこまでも、 唐土(もろこし)までも。この物思いの心のために、大弐三位 さんは、秋の夜に寝覚めてしまったんです。「寝覚め月」というのは、 物思いの巡る月、そんな意味だったんですね。